- 著者
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森 良次
- 出版者
- 福島大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2008
18世紀後半以降の西ヨーロッパで進行した継続的人口増加を背景に、バーデン、ビュルテンベルクでは農村の中小産業経営の窮乏化がすすみ、前三月革命期の深刻な社会問題をなしていた。工場制工業からの競争圧力(時計産業においては「アメリカの脅威」)は、こうした事態をさらに悪化させ、これが両政府による産業振興政策発動の契機となった。産業振興政策は、中小産業経営を保全するために、新技術の導入や職業技術教育を通じてその経営的上昇を促そうとするものであった。