著者
髙木 健司 高塚 直能 佐々木 翼 森 香津子 小川 直美 伊藤 慎二
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.69-75, 2018 (Released:2018-02-28)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

【目的】当院は精神科医が非常勤であり,患者の精神状態の評価は各医療者の主観的判断となっていた.そこで,抑うつをスクリーニングし専門医への連携に繋げる目的でPatient Health Questionnaire(PHQ)-9を導入したため,後方視的に検討した.【方法】2016年1月1日〜10月31日までに緩和ケア病棟に入院した全患者を対象とした.入院時にPHQ-9を行い,10点以上を抑うつありとした.精神科医の診断(P)と照合した.【結果】対象期間中に延べ83名が入院し,50名に施行し得た.PHQ(−)・P(-)32名,PHQ(+)・P(-)7名,PHQ(-)・P(+)2名,PHQ(+)・P(+)9名であった.P(+)11名であり,PHQ-9の抑うつに対する感度,特異度は81.8%,82.1%であった.【結論】緩和ケア病棟入院時においても,抑うつのスクリーニングとしてPHQ-9の有用性が示唆された.