著者
森下 奈美 永井 由佳里 森田 純哉 ゲオルギエフ ゲオルギ V.
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.56, 2012 (Released:2012-06-11)

本研究では触感を通じてガラスから抱く印象を探ることを目的とし,より詳細にガラスから抱く印象を探るため2つの実験を行った.実験1はガラスの表面加工,見た目による印象の変化を探るものである.ここでは,被験者に5種類のガラスサンプルに触らせ,抱いた印象や想像したことを発話してもらった.収集した発話を元に発話内容の分類,潜在イメージを抽出しサンプルごとに比較した.実験2ではタッチパネルを使用し,同一素材上での触り方や操作感による印象の変化を分析した.利き手(利き手・非利き手),触り方(指先・3本指・母指球・関節・親指)を変えて課題に取り組ませ,タスク前後に印象評価を行った.タスクの成績とアンケートの結果を総合し,被験者の抱いた印象を探った.結果,実験1からは,表面加工により幅広い印象を与え,曲線・曲面の加工により硬いガラスからも柔らかさを感じさせる可能性があることが確認された.実験2から,同一素材でも状況によって印象が変わることが確認された.今後,サンプルにより細かな加工を施したり,タスクを変更させて,触覚的な印象を詳細に分析することで,触り心地に影響を与える要因の解明につながると考えられる.