- 著者
-
永井 由佳里
ゲオルギエフ ゲオルギ
田浦 俊春
森田 純哉
- 出版者
- 一般社団法人 日本デザイン学会
- 雑誌
- 日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第54回研究発表大会
- 巻号頁・発行日
- pp.A03, 2007 (Released:2007-06-09)
グラフィックデザインでは,作品からどのような意味を想起させられるかが重要である。本発表では、グラフィックデザインの事例として,ロゴに焦点を当てた研究を示す。我々の研究では,良いロゴから想起される意味は,よく構造化されているという仮説を設定する。そして,ロゴの持つ意味構造と好ましさとの関連を検討した調査結果を示し,調査の結果からロゴに意味構造を付与するデザイン支援の方法論を論じる。我々は調査参加者にロゴを提示しそれぞれが想起した意味をできるだけ多く記入させる調査を行った。その後,それぞれのロゴの好ましさを5段階で評定した。得られたロゴの意味の相互の関連を,概念辞書を用いて測定した。その結果,ロゴから想起される意味間の関係が集束している場合,良いものと判断されていた。結果に基づき,意味の構造化に焦点を当てたグラフィックデザインの支援方法を提案する。視覚的な形状と言語によるラベルを対応づけるデータベースを用い,ロゴを言語化する。そして,概念辞書を用い,より上位の意味構造を抽出する。抽出された意味構造は,ユーザに提示される。そのことで,意味のない形状,誤解を与える形状,などの生成を防ぐことができると考える。