著者
川西 康之 出口 光一郎 森下 巖
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.90(1992-CVIM-080), pp.161-168, 1992-11-19

Geometric Hashingとは、データの整理方法であるハッシュ法を画像認識に応用したものであり、予め用意したモデル画像を用いて観測画像を認識するModel?Based Matchingのその認識過程の処理時間を短縮するのに有効な手段である。しかし、外乱の入った観測画像に対してのパフォーマンスはまだ充分に明らかにされていない。今回、画像に点集合画像を用い、アフィン変換を施した観測画像についてgaussian noiseに対する認識結果の影響を解析した。それに基づいて新しい投票プロシージャを考案し、Geometric Hashingのロバスト性の向上に努めた。実験の結果、外乱により通常は認識できなかった観測画像を認識し、更にその認識の信頼性がこの新しい方法によって向上し得ることを確認した。
著者
中山 泰一 永松 礼夫 出口光一郎 森下 巖
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.985-993, 1993-05-15
被引用文献数
3

共有メそリ型の汎用高並列計算機において、非常に多数の細粒度の処理単位を並列に実行するための並列実行管理機構として、あらかじめプロセッサの台数と同数の軽量プロセスを用意しておき、これらを繰り返し使用するアクティビティ方式が提唱されている。その利点として、どのような形武の並列プログラムにも適用でき、処理単位の実行中にサスペンドがまったく発生しなげれば高い効率が実現できることが確認されている。しかしながら、ネストしたfork?join形式の並列プログラムにおいて、親処理単位が再帰的に子処理単位を生成していき、しかも、それぞれの親処理単位がそのすべての子処理単位の実行の完了を待って後処理を実行する場合、子処理単位の完了待ち合わぜによる多数のサスペンドが発生し、従来のアクティビティ方式のままでは顕著な効率の向上が得られない。本論文では、上記形式のプログラムの実行効率をも向上させるため、従来のアクティビティ方式に「遺言」とよぷ新しいコンストラクトを追加する方式を提案する、これは、後処理を子処理単位に「遺書」して親処理単位は実行を完了し、最後に処理を終える子処理単位を実行した軽量プロセスがその「遺言」を実行する方式である。この方式に基づいた並列実行管理機構を試作し、シミュレーションにより性能評価した。その結果、アクティビティ方式の利点を活かしつつ、プロセッサ時間とメモリ消費量が大幅に節減されることが示された。