著者
森下 正彦 榎本 雅夫 小松 英雄 中 一晃 大橋 弘和 島津 康 増田 吉彦
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.143-148, 2001-08-25
被引用文献数
6 13

和歌山県における1986~2000年の調査をもとに、スギ花粉年間飛散数からチャバネアオカメムシとツヤアオカメムシの発生量予測を試みた。チャバネアオカメムシの越冬密度は和歌山県南部で高く、北部で低い傾向を示すものの年次変動のパターンは県下いずれの地域もよく似ていた。当該年のスギ花粉飛散数はその年から翌年にかけてのチャバネアオカメムシの越冬密度との間に相関が認められた。同様に、スギ花粉飛散数は越冬後成虫が主体である翌年4~7月の予察灯におけるチャバネアオカメムシとツヤアオカメムシの誘殺数との間に相関が認められ、スギ花粉飛散数から2種カメムシの翌年夏までの発生量予測が可能と考えられた。
著者
森下 正彦
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.21-26, 2002-05-31 (Released:2012-10-29)
参考文献数
16
被引用文献数
4 2

和歌山県のイチジク園に青色粘着トラップを設置して, アザミウマ類の誘殺消長を調べた。アザミウマ類全体の誘殺ピークは5月下旬~6月上旬であり, 一一方, 主要な加害種であるミカンキイロアザミウマの誘殺ピークはそれより遅い6月中下旬であった。一文字仕立のイチジク園で6月から光反射資材 (反射率90%以上) を畝の両側に50cm幅で敷くと, 無処理に比べてアザミウマ類の飛来数が減少して, 被害は1/2~1/3に軽減された。したがって, 光反射資材の敷置はミカンキイロアザミウマを含めたアザミウマ類に対する有効な防除手段である。