著者
森内 基隆 中川 重康
出版者
舞鶴工業高等専門学校
雑誌
舞鶴工業高等専門学校紀要 (ISSN:02863839)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.35-39, 2005-03-10

太陽電池モジュールは,建物,積雪等による部分陰の影響を受けて,その発電出力が低下することが問題となっている.特に,積雪による部分影の影響は大きく,外部からの電力供給による融雪装置の検討が進められている.一方,筆者らは120W太陽電池モジュールを用いた実験で,一個のセルが陰に覆われた場合,そのセルの温度が日の当たっているセルの温度より高いことを明らかにしている.本研究では,120W太陽電池モジュールにおいて6個のセルが陰で覆われた場合,それらのセルの温度は日の当たっているセルの温度より低くなることが分かった.さらに,陰になるセルの温度が,そのセルの枚数で異なることを解明した.陰で温度の下がるセルであっても,他のセルからの電力供給で温度を上げることができた.モジュールに雪が積もると,セルは雪で陰になるので,その陰のセルの温度を上げて雪を溶かせることが可能であることを示している.従って,本研究は外部からの電力供給を必要としない,新しい融雪手法を提案している.
著者
森内 基隆 中川 重康
出版者
舞鶴工業高等専門学校
雑誌
舞鶴工業高等専門学校紀要 (ISSN:02863839)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.17-24, 2006-03-10

最近,太陽光発電設備の普及に伴い,その設置場所が積雪地域に拡大している.しかし,積雪地域に設置された太陽電池モジュールの積雪が,太陽電池が受け取る太陽エネルギーを減少させる.その結果,太陽光発電システムの発電量が低下する.この問題を抑制する手法の一つが,太陽電池モジュールの積雪を融かすことである.雪が積もった直後は,積雪は太陽電池モジュールの全面を覆っているが,時間が経過するとほとんどの積雪は,自重あるいはわずかの太陽光によって,太陽電池モジュールから滑り落ちる.しかし,太陽電池モジュールの最下部に配置されたセルの位置に積雪の一部が残り,この積雪の一部が部分的な陰を発生させる.この部分的な陰が,太陽電池モジュールの発電電力量を減少させる.我々は,太陽電池モジュールの最下部に配置されたセルの位置に残った積雪に着目し,太陽電池モジュールの発電電力量を使用して,この積雪を融かす手法を提案し,評価する.