著者
伊藤 直人 北口 達也 森口 友也 高田 秀志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.143-150, 2014-01-15

近年,スマートフォンやタブレット端末の普及により,これらを活用した新しい協調作業の形態が追求されている.我々は,同一空間内で複数グループに分かれて同様の作業を行う活動に着目し,タブレット端末を活用してこのような活動を支援する「ダイナミックグループコラボレーション環境」を構築している.ダイナミックグループコラボレーション環境では,ユーザが自らグループ間を移動して動的にグループを再構成しながら協調作業を行うことを想定しているが,ユーザのグループ間移動を促進するためには,他のグループで行われている作業内容を提示するグループ間アウェアネス機能が必要である.本研究では,ダイナミックグループコラボレーション環境上に実装した協調検索システムを対象に,ユーザのグループ間移動に関与する要因に関する調査を行った.調査の結果,1) ユーザに与える情報量が多く,ユーザの興味を引く情報の提示,2) 直感的に作業内容を示し,ユーザが参照しやすい情報の提示,3) ユーザが行う作業内容自体の難易度の高さ,が要因となりうることが示唆された.