著者
森尾 吉成
出版者
三重大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

次の5つの研究テーマについて得られた結果を報告する.1.一定時間追跡した動物体の移動軌跡から作業者を特定する方法画像中の作業者の移動軌跡を一定時間追跡し,移動距離が大きい動物体は作業者と見なすシステムを開発した.2.日向および日陰に左右されない作業者の動き検出方法圃場の同一箇所にレンズ絞りを最適化した日向専用カメラと日陰専用カメラを1台ずつ設置することにより,日向および日陰領域が同一画像内に存在する状況においても安定して作業者を追跡できるシステムを開発した.3.複数台のカメラを用いて作業者の位置を検出する方法圃場内を移動する作業者の絶対位置を検出するシステムとして,圃場2隅に1台ずつ設置した合計2台のカメラを用いて,カメラの光軸と作業者がなす角度から作業者の絶対位置を検出する方法を提案した.実験では,15m四方の圃場に対して30cmの解像度まで位置を検出できる結果を得た.4.パン・チルト・ズーム機能を有したカメラを利用して圃場内の位置に関係なく作業者を追尾する方法パン・チルト・ズームカメラを使って屋内作業工程を監視する視覚センサを開発した.コンテナの積み上げや搬出作業においてコンテナの段数をリアルタイムで認識し,音声や映像を用いて段数を作業者に伝達するシステムを開発した.実験ではリアルタイムで安定して動作することが確認できたため,屋外での利用に向けて研究をさらに発展させていく.5.カメラ設置高さに制約される作業者追跡限界領域の検討15m四方の圃場に対して,焦点距離が3.5mmのレンズを取り付けたカメラを地上高約1.5mの高さに設置した場合に1画素が約30cm相当となる領域が存在したことから,カメラの設置高さをできるだけ高くし,十分な画像分解能が得られるよう複数カメラの組み合わせ方法を提案した.
著者
森尾 吉成
出版者
三重大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では, 農作業者の行動に合わせて必要な支援を提供するシステムとして, 1)屋内外に関係なく作業者の追跡を容易にする専用作業服の開発, 2)作業者の抽出, 姿勢角の検出, 絶対位置の検出を行う画像処理システムの開発, 3)確率モデルに学習させた作業行動の認識システムの開発, 4)作業に有用な情報や作業動作のリズムを, 映像や音声の形式でタイミング良く提供するシステム, の4つのシステムを開発した.