著者
森崎 潤 阿萬 裕久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.159, pp.7-12, 2007-07-17
被引用文献数
1

ソースコードの保守工程において,特定のコード断片がバージョンアップのたびに繰り返し変更されるという変更の連鎖が発生することがある.連鎖の途中にある場合,同じ箇所へのたび重なる変更によりコードが不安定な状態にあると考えられる.本稿では,Eclipseに対する測定実験及びデータ分析を行い,変更の連鎖が起こったケースの安定性について調査・検討を行っている.その結果,変更の連鎖が発生したケースでは,連鎖中よりも連載終了後の法が変更量が小さい.つまり連鎖が終了すると安定する傾向にあるということが確認されている.あわせて,短い連鎖の方がその傾向が強いということも確認されている.また変更の連鎖が起こった場合,その不安定な状態は約18%の確率で後のバージョンアップへ持続されているという結果も得られている.