- 著者
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森崎 繁
- 出版者
- 安全工学会
- 雑誌
- 安全工学 (ISSN:05704480)
- 巻号頁・発行日
- vol.18, no.4, pp.199-204, 1979-08-15 (Released:2018-03-31)
PTFE,FEP,ETFEおよびTFEPの4種のフッソ樹脂について,酸化雰囲気中で昇温加熱または定温加熱し,計算機のオンライン処理,GC-MS法などによりそれぞれの酸化または燃焼の機構の相異について検討した.第3級炭素を持つFEPはPTFEより酸化分解をうけやすいが,両方とも酸素1気圧のもとで急激に加熱しても酸化分解反応と熱分解反応が同時に生じ明瞭な発火燃焼を示さない.これらのポリマーのうちでは,プロピレンを含有するTFEPが最も発火しやすく,明瞭な1次式に従って燃焼するが,酸化分解の場合は熱分解など他の反応が同時に生じ,エチレンを含むETFEよりかえって熱安定性が増大する. PTFEとFEPおよびETFEとTFEPは,互いに酸化分解ガスの種類にあまり差がなく,完全な酸化分解を行わせると2COF2→CO2+CF4の反応が生じるものと考えられる.また,酸化分解途中の試料の赤外吸収スペクトルの測定を行い,固体中の酸化物の検討を行った.