著者
末広 牧子 飯尾 正宏 森川 惇二
出版者
Japan Radioisotope Association
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.285-289, 1982

<SUP>13</SUP>C呼気検査法の感度と精度について検討した。<SUP>13</SUP>CO<SUB>2</SUB>分析用として質量分析法を用いた場合, <SUP>13</SUP>CO<SUB>2</SUB>存在比の変化の検出限界は, 0.085‰であったのに対し, 内因性の呼気中<SUP>13</SUP>CO<SUB>2</SUB>存在比の時間変動, すなわち, ベースラインのフラッキは0.202‰, さらに, 試料保存用の真空試料管中の残存CO<SUB>2</SUB>による影響は0.136‰であり, これらの値から, 総括的な<SUP>13</SUP>C呼気検査法の感度は0.52‰と決定された。これは, <SUP>14</SUP>C法の約1/1000の感度である。また, <SUP>13</SUP>C呼気検査法の精度は, <SUP>13</SUP>C濃縮化合物投与によるベースからの<SUP>13</SUP>CO<SUB>2</SUB>上昇, △<SUP>13</SUP>Cに比例して高くなり, 1.94×△<SUP>13</SUP>Cで表現されることが分かった。これらの感度, 精度に基づき, さらに, <SUP>13</SUP>C濃縮化合物の必要最小投与量についても考察した。