著者
森川 知美 茅野 理恵
出版者
信州大学大学院教育学研究科心理教育相談室
雑誌
信州心理臨床紀要
巻号頁・発行日
vol.18, pp.41-50, 2019-06-01

大学生を対象に,過去の関係性攻撃の被害経験についての自責傾向と他責傾向を調査した。その結果,過去の関係性攻撃の被害を自責的に捉えている群のほうが他責的に捉えている群よりも過剰適応尺度の「自己不全感」において有意に得点が高いという結果となった。このことから,過去の関係性攻撃の被害経験を自責的に捉えることがその後の精神的健康に負の影響を及ぼす可能性があることが示唆された。学校現場における関係性攻撃による被害者への対応として,攻撃を受けた要因について自責的に捉えないような支援が必要であることが明らかとなった。