著者
森田 すみ 弓達 崎子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.34-38, 1962

1. ナフタリン、樟脳、パラ系の昇華はこの順に多くなり、パラ系はナフタリンの約10倍、樟脳の約4倍昇華する。<BR>2. 各系列の防虫剤は商品名が違っても、昇華量には大差ない。なお各系列の防虫剤の効果には、一般にいわれるほど大きな差は認められなかった。しいて言えばパラ系防虫剤の効果が大きい。<BR>3. パラ系防虫剤を粉末にして密閉状態の木箱で使うと27mg/<I>l</I>で9月~10月(22.9℃~28.2℃)ではヒメマルカツオブシムシの食害を防ぐことができる。10月末以降は18mg/<I>l</I>でも食害を受けない。但し後者はヒメカツオブシムシの食害を防ぐことができない。<BR>4. 普通の整理タンスの抽き出し(39.2<I>l</I>)1コに、パラ系A防虫剤を錠剤で使うときは約7.42g必要で、袋入りで使うときは錠剤の10倍近く必要と考えられる。袋から出した錠剤を密閉しておくと夏季で約70日保つから、長くしまっておくものは途中で1~2回補充を要する。<BR>5. 一般の家庭では冬の衣類はタンス類、洋服箱、行李罐、茶箱にしまい、前三者に納めるものが多数である。<BR>6. タンス類には1抽き出しに防虫剤4錠前後入れるものが多数で、防虫剤の種類としてはナフタリンと樟脳の併用が多い。