著者
山下 拳人 森田 千瑛 土居 更紗 山口 理佳 日沖 義治 村上 貴士 古野 俊佑 兒玉 隆之
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.29-34, 2017-04-14 (Released:2017-04-15)
参考文献数
34
被引用文献数
1

目的:理学療法場面において,セラピストの親和・非親和的な非言語対応が対象者の脳内神経活動に及ぼす影響について検討した。対象と方法:対象は健常成人男性12名とした。初めに安静開眼2分,そして親和・非親和条件動画を其々観察し,再び安静開眼を2分行った。結果:親和条件では,内側前頭皮質や前部帯状回に有意に高い神経活動性を認めた。非親和条件では,島や扁桃体,頭頂葉連合野に有意に高い神経活動性を認めた。結論:親和条件では,リラックス状態の持続,意欲や動機づけを形成する脳領域の神経活動が認められ,非親和条件では,陰性情動の持続,不安や疼痛刺激が誘発される脳内の神経活動が認められた。これらのことより,非言語コミュニケーションの違いがラポール形成の脳内神経基盤に機能的差異を及ぼすことが示唆された。