著者
吉川 彰一 野村 正勝 森田 幸男
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.36-40, 1976-01-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
14
被引用文献数
3 3

ベンゼンとアセトニトリルとの高周波放電反応を行った。液体窒素トラップからえた液状成分の分析からアセトニトリルやベンゼンの単独放電反応でえられる特徴的な生成物の他にベンゾニトリル.ベンジルシアニド, o, m, p-トルニトリルやo, m, p-ジシアノベンゼンが生成していることを認めた。アセトニトリルの単独放電反応ではプロピオニトリル, ブチロニトリル, クロトニトリル, マロノニトリル, スクシノニトリル, グルタロニトリルなどが生成し, この他にテトラシアノエチレンが生成しているのが放電反応物のESRスペクトルから推定された。PBNをラジカル補捉剤として使用したベンゼンの高周波放電反応における活性種のトラップ実験ではベンジルラジカルが生成しているのがESRスペクトルから推定された。