著者
福谷 洋樹 宮崎 将之 森田 祐輔 田中 紘介 矢田 雅佳 増本 陽秀 本村 健太
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.117, no.3, pp.270-276, 2020-03-10 (Released:2020-03-10)
参考文献数
29

症例は49歳男性.B型肝炎治療中にCTでS4,S7に腫瘤を指摘.MRIではCTとは異なるS7に腫瘤を認め,S4に腫瘤はみられなかった.2カ月後のMRIではS7/6に新たに腫瘤が出現した.好酸球増多がみられたため寄生虫検査を行い,トキソカラ抗体陽性であった.肝トキソカラ症と診断し,アルベンダゾール内服にて腫瘤は消失した.好酸球増多,多発病変,腫瘤の自然消失は内臓幼虫移行症に特徴的な所見と考えられた.
著者
庄司 裕佳子 千住 猛士 森田 祐輔 田中 ゆき 杉本 理恵
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.497-503, 2023-10-01 (Released:2023-10-12)
参考文献数
21

進行肝細胞癌に対するアテゾリズマブ(Atezo)+ベバシズマブ(Bev)併用療法開始直後に発症した腫瘍の胆囊穿破による胆道出血の1例を報告する.症例は70代男性.進行肝細胞癌に対して,day1に一次薬物療法としてAtezo+Bev併用療法を導入したところ,day2に心窩部痛が出現した.Day3に腫瘍の胆囊穿破による胆道出血から胆管閉塞を来したと判断し,緊急ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査)で胆道ドレナージを行った.腫瘍からの出血に対しては,day6に腫瘍血管A6に対してTAE(肝動脈塞栓療法)を施行した.Bevが胆道出血に関与したと考えられ,Atezo+Bev併用療法は中止し,レンバチニブ(Len)を導入し,その後のCTでは腫瘍の縮小を認めた.