著者
土田 英俊 真田 茎 森部 和彦
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.74, no.7, pp.1449-1452, 1971-07-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
1

N, N, N', N'-テトラメチルエチレンジアミン (TED) と二塩化-p-キシリレン (XDC) の逐次メンシュトキン反応における重合速度を考察した。反応の進行につれ速度は小さくなるが, これは官能基濃度の減少, 生長鎖荷電部が末端アミノ基の窒素弧立電子対を部分的に引き寄せその求核攻撃力を弱めることにより二次反応速度定数が漸減するためと考えられる。溶媒効果を次表に示した。DMSO は ε の関連だけでは説明できない促進作用がある。これは分極している DMSOの δ+性イオウと XDC の塩素とが静電相互作用を及ぼし, C-Cl 結合を弛緩する過程が反応に関与するため TED の求核攻撃を容易にするからと考えられる。