著者
山本 善丈 梅田 政裕 森重 清利 西川 泰治
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.421-425, 1988-08-05 (Released:2010-02-16)
参考文献数
11
被引用文献数
4 4

チオニンの蛍光特性について検討し,その発光機構を明らかにした.チオニンの蛍光はキノイド構造に起因し,同じチアジン環色素であるメチレンブルーの蛍光より強い.この蛍光を利用してチオニン生成反応により,(0.1~2)×10-5mol dm-3(吸光光度法),(0.2~10)×10-7mol dm-3(蛍光法)の硫化物イオンが誤差2%以内で迅速,簡便に定量できることを明らかにした.
著者
森重 清利 岡部 道明 西川 泰治
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.265-270, 1997-04-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
10

佐賀県東松浦郡肥前町産の木村石[CaY2(CO3)4・6H2O]は紫外線照射により赤紅色の蛍光を発する.この発光は鉱物中に含まれるEu(III), Tb(III), Gd(III)及びDy(III)イオンの輝線スペクトルに起因することを明らかにした.これら発光性希土類金属(III)化合物の蛍光スペクトルの帰属とその分光特性を詳細に検討した結果,木村石の蛍光スペク.トルはそれぞれEu(III):Ex.395(7F6→5Le)/Em.615nm(5D0→7F2);Tb(III):Ex.380(7F6→5D3)/Em.545nm(5D4→7F5);Gd(III):Ex.275(8S7/2→6D3/2)/Em.312nm(6P7/2→8S7/2);Dy(III):Ex.352/Em.575 nm(4F9/2→6H13/2);の4f電子の許容遷移に基づく発光であることを明らかにした.