著者
富木 毅 斎藤 臣雄 植木 雅志 今野 英明 浅岡 丈生 鈴木 龍一郎 浦本 昌和 掛谷 秀昭 長田 裕之
出版者
Division of Chemical Information and Computer Sciences The Chemical Society of Japan
雑誌
Journal of Computer Aided Chemistry (ISSN:13458647)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.157-162, 2006
被引用文献数
1 20

我々は、理化学研究所天然化合物バンク(RIKEN NPDepo)の情報基盤として、化合物データベース"理化学研究所天然化合物エンサイクロペディア(RIKEN NPEdia)"を構築した。このデータベースには、奈良先端科学技術大学院大学の金谷教授らが構築した二次代謝物データベース"KNApSAcK (http://kanaya.aist-nara.ac.jp/KNApSAcK/, http://prime.psc.riken.jp/ (mirror site))"から提供されたデータを含め、現在約25,000の化合物データが登録されている。ここに収録されているデータのほとんどは、放線菌、糸状菌、植物などから単離された二次代謝物のものである。それぞれの化合物データは、構造、起源、物理化学的性質、生物学的性質などから構成されている。MOLファイルをダウンロードすることも可能となっている。近日、UVスペクトル、MS/MSスペクトル、NMRスペクトルをデータに組み入れる予定である。このデータベースは、以下の3つの機能:(1)化合物の検索、(2)化合物データの登録、そして、(3)化合物バンクの受発注システムとの連携、を有している。我々は現在、化合物を収集するとともに、化合物データと代謝産物マップ、タンパク質間相互作用マップ、ケミカルゲノミクスマップ(バイオプローブが代謝系のどこに作用するかを示すマップ)との統合を目指している。我々は、NPEdiaが様々な領域の研究者にとって有益で、親しみやすいデータベースとなることを望んでいる。本データベースに関する詳細と最新情報は、我々のWebサイト(http://npd.riken.jp/)をご参照頂きたい。