著者
植木 克美
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, no.Suppl, pp.41-44, 2016-01-25 (Released:2016-02-12)
参考文献数
7

本研究では,教職経験が異なる熟年期の小学校教師2名を対象に,ライフストーリー的手法によって,①保護者対応の変容プロセスを明らかにし,②保護者対応における教師の成長と世代継承について検討した.分析の結果,若手期,中堅期から熟年期にかけて,保護者と教師の関係性が変容することがわかった.そして,保護者対応の困難な経験が,保護者対応の変容をもたらすひとつの“転機”になっていると考えられた.また,保護者対応における異世代間の学びは,教師である専門家間,さらに教師と保護者間でも成立していることを明らかにした.