著者
藤井 太平 植木 賢 乾 道夫 上原 一剛 礒江 孝
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.465-484, 2022-09-10 (Released:2022-09-15)
参考文献数
26

国際的な競争が熾烈化している現代,次代を担う子供達の創造性を育成することは重要である.著者らは創造力の定義として高橋(2002)の「既知知識や経験を統合し,新しく価値があるものを生み出す力」を採用し,創造性教育で広く知られるトーランスの知見を背景として,植木(2018)が開発した発明楽と,医療機器開発の考え方を取り入れて創造性育成教育を開発した.これを小学5年生(N=63)に実践し,創造性に関する心理尺度(因子:拡張性,論理性,積極性,独自性,集中性・持続性,収束性,精密性)と批判的思考に関する心理尺度(因子:探究心,客観性,論理的思考,証拠の重視)を用いて前後比較を行った. 本開発授業は,拡張性・論理性,好奇心・積極性,集中性・持続性,好奇心・積極性,精密性,探究心,証拠の重視の因子で創造性の伸長を期待できる結果が得られた.