著者
植村 利夫
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.58-66, 1939-07-01 (Released:2008-12-19)
著者
植村 利夫
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.113-118, 1940-07-30 (Released:2008-12-19)
著者
植村 利夫
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.170-171, 1937-12-06 (Released:2008-12-19)
著者
植村 利夫
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-10_1, 1957-10-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
13
被引用文献数
3 4 5

1. 日本に体色の変化するクモが2種類いることがわかった.それはキララグモ Leucaueg subgemmea BOESENBERG et STRAND とコガネヒメグモ Argyria vemusta YA-GINUMA である. 2. キララグモは樹閏又は草間に直径30cm内外の水平円網をはるが,クモ自体は網の中央に静止しないで近くの葉裏にかくれ場所があってそこにひそんでいる.この点で他の Leucauge 属のクモと習性が異っている. 3. キララグモの腹部は,安静状態にある時は全面的に金緑色に輝くが,手でつかんだり強く振動を与えたりすると,たちまち色彩が変化して,無数の鱗状斑が現われる. 4. コガネヒメグモは,妙義山での観察では,崖地に生えた灌木め葉裏に不規則な網をはってすみ,その網から長い垂直糸をたれ,その糸の先に昆虫や木の葉をつり下げる習性がある. 5. コガネヒメグモの腹部は実に美麗な黄金色をしているが,手で捕えたり強い振動を与えたりすると. たちまち多数の星状斑に牙離する. それは全くキララグモの場合と同様である. 6. コガネヒメグモの網からつり下げられた木の葉や昆虫などは,Y 字糸が集まってできたところの上部の網の形を保つ上に,重要な「おもし」の役目を果しているようである. 7. キララグモ及びコガネヒメグモの腹部の体色変化は,色素細胞の変化により,金色の斑紋が拡大したり収縮したりすることによっておこるもので,その変化に要する時間は実に瞬間である. 8. コガネヒメグモをうす暗い所において,急に太陽の直射光線をあてると,斑紋が収縮するのを見た. 9. コガネヒメグモはヒメグモ科の Conopisthinae に属する新属新種で,その原記載は八木沼氏によって,この論文と同時に発表されている.