著者
桒原 良輔 仲間 信道 野田 聖
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.135-147, 2023-12-10 (Released:2023-12-10)

「図鑑 日本のむかで」は史上最多種数の日本産ムカデ類の画像を掲載した図鑑である.しかし,本書には全160 ページの中に100 カ所を超える誤りがある.本稿ではこれらの問題を説明し,部分的な解決案を提案するとともに,昨今の図鑑の倫理的誠実さの欠如に警鐘を鳴らす.また,和名の新称・改称を行い,和名の命名ガイドラインの必要性を論じた.
著者
井原 庸
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.87-109, 2008-12-31 (Released:2009-02-10)
参考文献数
28
被引用文献数
4

ナミハグモ属の種多様性には,著しい地理的種分化と,体サイズの分化による同所的な種の組み合わせという2つの側面がある. 日本から70種以上が記録されているが,まだ多くの未記載種が残されている.ナガトナミハグモ種群は生殖器の形態に著しい地理的分化を示し,種内の複雑な地理的変異,環状重複,近縁種の側所的分布や同所的共存といった異所的種分化のさまざまな過程がみられた.また,体サイズは種分化とその後の同所的共存に重要な役割を果たすと考えられ,カチドキナミハグモ種群では体サイズの分化が種分化を促進した可能性がある.
著者
山﨑 健史
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.49-56, 2015 (Released:2015-12-02)
参考文献数
38
被引用文献数
2
著者
宮下 直 新海 明
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.3-10, 1995 (Released:2007-03-29)
参考文献数
15
被引用文献数
5 7

網のデザインと餌捕獲能力との関係をジョロウグモとナガコガネグモを用いて調べた. 大型の厚紙のフレームでクモの網を枠取りし, 同じ微生息場所に設置した. ジョロウグモの網はナガコガネグモの網より多くの餌がかかる傾向があったが, これは前種で粘着糸が多いからである. しかし, 比較的大きな餌 (2-6mm) の比率はナガコガネグモの方が大きかった. これはおそらく網糸に付着している粘着物質の量が多いからであろう. 大型の餌 (20-25mm) に対する網の捕捉能力を評価するため, 大型餌を網に付加する実験を行った. 餌が網に捕えられている時間は, ばらつきが大きいものの種間で似かよっていた. ジョロウグモの網は, 非常に小型の餌とともに大型の餌を捕獲する機能も有していると考えられた.
著者
新海 明 新海 栄一
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-12, 1988 (Released:2007-03-29)
参考文献数
12
被引用文献数
7 10

ヨリメグモの網構造について調査した。このクモは流水面上に網を張り, 二つの型がみられた。一つは網の上部に支持糸を持った水平円網であり, 他の一つは基本的には水平円網だが, ヨコ糸が垂れ下がって水面に達しているために変形していた。そして, ヨコ糸と水面との接点には多くの細かい糸がみられた。ヨコ糸を張り終えたクモは, こしき部とヨコ糸との間においてタテ糸を切断し, それらのタテ糸をゆるめた。タテ糸がゆるめられると, 変形網のヨコ糸は流水上に浮遊するために, この網を浮遊網と名付けた。網の形は, 造網場所の条件に影響された。浮遊網は水面上の比較的低いところにみられたが, 水平円網は水のない場所や水面上の比較的高い場所にみられた。これらのことから, ヨリメグモは円網種に由来し, 流水環境に適応したクモであると考えられた。
著者
Hajime Yoshida Koichi Nojima
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.103-104, 2009-12-31 (Released:2010-02-15)
参考文献数
5

A new species belonging to the family Theridiidae is described from Okayama Prefecture, western Japan, under the name of Rhomphaea annulipedis. Habitats of five Japanese species of Rhomphaea are recorded.
著者
高桑 良興
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.39-42, 1942-06-30 (Released:2008-12-19)
被引用文献数
1 1
著者
高島 春雄
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1-2, pp.9-31, 1947-03-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1
著者
吉田哉著
出版者
日本蜘蛛学会
巻号頁・発行日
2003
著者
植村 利夫
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.58-66, 1939-07-01 (Released:2008-12-19)
著者
本多 佳子
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.55-62, 2016-08-31 (Released:2016-11-02)
参考文献数
49
著者
Tatsumi Suguro
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.77-80, 2016-12-31 (Released:2016-12-31)
参考文献数
5
被引用文献数
1

A new salticid species of the genus Chinattus is described as Chinattus falco sp. nov. For the present, this species is known from only Amami-Oshima Island, Japan. The new species can be distinguished from other congeners by the male palp with not-hooked retrolateral tibial apophysis and epigyne with slender scape.
著者
Akio Tanikawa
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.35-42, 2003 (Released:2007-03-29)
参考文献数
11
被引用文献数
2 3

As a result of a series of faunal surveys of spiders of Okinawa Prefecture, southernmost Japan, following seven species were recognized to occur in the family Pisauridae: Hygropoda higenaga (Kishida 1936), Perenethis venusta L. Koch 1878, Dolomedes yawatai Ono 2002, D. orion n. sp., D. zatsun n. sp., D. horishanus Kishida 1936, and Pisaura bicornis Zhang & Song 1992. Descriptions of the two new species, Dolomedes orion and D. zatsun, are presented. Dolomedes horishanus and Pisaura bicornis are the species whose occurrences in Japan were recognized for the first time. Redescriptions of those two species based on the specimens collected from Okinawa Prefecture are also provided. Dolomedes mizhoanus Kishida 1936 known from Taiwan is newly synonymized with D. horishanus. D. yawatai, which was described from Ishigaki-jima Island, was found to occur also in Iriomote-jima Island. D. okinavensis Kishida 1924 is considered as nomen dubium and hence removed from the species list of Japanese Pisauridae.
著者
Akio Tanikawa
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.63-86, 2001 (Released:2007-03-29)
参考文献数
23
被引用文献数
6 8 9

Twelve new species are described from Japan under the names, A. nojimai, A. tsurusakii, A. ryukyuanus, A. borealis A. iriomotensis, A. yasudai, A. hoshi, A. komi, A. ogatai, A. miyashitai, A. mayumiae, A. amabilis. In addition, A. acusisetus Zhu & Song 1994 is newly recorded from Japan..