2 0 0 0 OA 乳頭乳輪再建

著者
森 弘樹 植村 法子 末貞 伸子 石井 義剛
出版者
一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
雑誌
Oncoplastic Breast Surgery (ISSN:24324647)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-7, 2019-03-28 (Released:2019-03-30)
参考文献数
36

乳頭乳輪は乳房のイメージを決定する大きな要素であり, その位置とともに「形」と「色」の再建は重要である。本来の乳頭乳輪部は上皮成分が多くを占め, また平滑筋が存在し, 形の変化に寄与する。これを局所皮弁で再建する場合は皮膚成分の制限, 平滑筋が存在しないことから突出を維持することは簡単ではない。また, 一般的にアジア女性の乳頭は大きめで乳輪が小さいため, 皮弁の瘢痕を再建乳輪内に収めることがむずかしいことがある。われわれは, 形について局所皮弁での再建をおもに行い, Skate flapからC-V flapに変更した。その後, modified C-V flap, 軟骨移植を組み合わせた方法, そしてwheel steering flapを開発し, 突出を維持し, 瘢痕長径を短くする改善を加えてきた。一方, 色については薄くなることが避けられないが, 医療用刺青をおもに用いてきた。本稿では乳頭乳輪再建について, 自施設で用いてきた方法を中心に歴史的展望と現状を報告する。
著者
浜永 真由子 森 弘樹 植村 法子 岡崎 睦
出版者
一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
雑誌
Oncoplastic Breast Surgery (ISSN:24324647)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.78-83, 2017-09-25 (Released:2017-09-29)
参考文献数
13

乳房インプラントの回転について, エキスパンダー・インプラントの選択との関連について検討した。2015年3月までにエキスパンダー・インプラント法による乳房再建を完了した148例153側を対象とした。使用したエキスパンダーはスムースラウンドタイプ, スムースアナトミカルタイプ, テクスチャードアナトミカルタイプに分類し, インプラントは Mentor社, Allergan社に分類した。経過観察期間は平均72.4ヵ月であった。153側中21側 (13.7%) でインプラントの回転が認められ, 判明までの期間は平均31.2ヵ月であった。回転症例は全例でスムースタイプエキスパンダーを使用しており, 最突出点が内側にくる方向に回転した。スムースタイプエキスパンダーと Mentor社インプラントの組み合わせは, スムースタイプエキスパンダーと Allergan社インプラントの組み合わせと比較して有意に回転を生じた。