著者
田中 宏子 植松 奈美 梁瀬 度子
出版者
Japan Human Factors and Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.347-356, 1989-12-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
14

空間の心理評価における実験方法の検討である. まず, 実大模型, 縮尺模型およびスライドの3つの評価対象における心理量の関連をSD法により検討した. 取り上げた要因は居間に置かれた家具の量と配置である. 因子分析の結果, いずれの評価対象も2つの共通因子が析出され, 価値因子と活動性因子と意味づけた. 活動性因子においては3者の感覚は非常に似通っていたが, 価値因子については在室感・臨場感といった空間と人間との相互作用が影響しており, 空間の価値判断と深い関わりがあると考えられる. ついでSD法の評価の妥当性を確認するために, ME法, 一対比較法の比較検討も試みた. その結果, かなりの整合性が認められた.