著者
椎尾 剛
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.500-504, 1988-07-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
9

レンチナンとサイクロホスファマイドをsarcoma-180担癌マウスの初期に併用した場合には, 例外なく, 両薬剤を単独投与した場合よりも強く腫瘍を阻害した。しかしながら, 定着癌系ではレンチナンとサイクロボスファマイドの効果は薬剤の併用タイミングに依存した。定着したsarcoma-180固型癌担癌マウスにサイクロボスファマイドをレンチナン投与に先立って投与した場合には併用効果が認められなかった。定着固型癌系においてレンチナンとサイクロホスファマイドを同時併用した場合には両薬剤の単独投与群に比べより強い腫瘍阻害が認められた。併用した場合にはサイクロホスファマイド投与による遅延型皮膚反応や白血球数の抑制をレンチナンが有意に防止した。レンチナンはシスブラチン, アドリアマイシン, カルポコン, UFT, テガフールおよびブレナマイシンとの間においても併用効果を示した。