著者
椎屋 智美
出版者
宮崎大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

2型糖尿病(DM)患者と健常人にグレリン(Ghr) 0.5 μg/kgを静注で単回投与し、食事負荷で糖代謝等に与える影響を検討した。経時的に血糖、インスリン(IRI)、成長ホルモン(GH)、Ghr、デスアシルGhr、食欲を評価した。健常人、2型DM患者いずれもGhr投与時と生食投与時で血糖、IRI、食欲に差はなかった。GH、Ghr、デスアシルGhrはGhr投与時、一過性に有意に高値を示し、投与後90分で前値に復した。DM性神経障害(DN)合併患者6名を対象にGhr 1.0μg/kgを1日1回、2週間連日投与した。DNの自覚症状と後脛骨神経伝導速度はほぼ全例で改善した。投与前に比し投与終了後の食事負荷試験ではIRIと血糖は改善傾向であった。Ghr 1.0μg/kg連日投与は重篤な有害事象なく、糖代謝に悪影響も与えずにDNを改善する可能性がある。