著者
保正 友子 杉山 明伸 楢木 博之 大口 達也
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal social Welfare, Nihon Fukushi University (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
no.140, pp.1-20, 2019-03-31

本研究の目的は,現任医療ソーシャルワーカー(MSW)を対象に,現在の職場において過去にMSW 業務から離職しようと考えたことがあるかどうか(MSW 離職意向),もし考えたことがあれば何が影響しているのかという背景要因を明らかにすることである. 2 県の医療社会福祉協会会員のうち,医療機関に所属する701 人に郵送での質問紙調査を実施し,回収した397 通(回答率56.6%)のうち欠損値のない314 人分を分析対象とした. 確証的因子分析に基づき,鄭らの開発した「職場離職意向尺度」を参考にMSW 離職意向尺度を作成し,重回帰分析,共分散構造分析を行った結果,離職意向に影響を及ぼす次の2 系統が見出された.①「上司の配慮・誠実さ→部署環境の良し悪し→職員を尊重する組織運営/ワーク・エンゲイジメント」,②「多様で標準化困難な業務」.考察では,結果が見出された理由の検討と今後の対応策の提示を行った.