- 著者
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松本 好
榎本 大貴
井上 雅彦
- 出版者
- NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会
- 雑誌
- 自閉症スペクトラム研究 (ISSN:13475932)
- 巻号頁・発行日
- vol.18, no.2, pp.61-67, 2021-02-28 (Released:2022-02-28)
- 参考文献数
- 13
本研究では、通所施設への通所が困難となった事例において、家庭訪問支援として子どもおよび母親へ介入することで、子どもの行動上の問題の改善や新しい行動の獲得、母親の養育行動の獲得や養育ストレスの変化を検討した。介入は、機能的アセスメントに基づく子どもへのコミュニケーション指導、母親へのペアレント・トレーニングおよび日常生活の助言、通所施設への移行支援であった。その結果、家庭という日常生活場面で支援を行うことにより、子どもの行動上の問題の減少とコミュニケーション行動の獲得、子どもに対する母親の育児ストレスの改善に及ぼす効果があり、通所施設への通所が可能となった。一方で、母親自身の孤立感ついては変化がみられず、通所施設での継続支援を要する可能性が示唆された。