著者
榛葉 旭恒
出版者
京都大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

精神的ストレスはインターロイキン17産生型ヘルパーT細胞(TH17細胞)の働きを介して炎症性腸疾患を誘引すると考えられているが、その機構は明らかではない。申請者はストレス感知により腎臓から産生されるプロレニンの受容体(PRR)がTH17細胞で発現することに着目し、PRRがTH17細胞の発生を促進すること、ストレスと免疫応答が腸管のTH17細胞を増加させることを見出した。そこで本研究は、PRRがTH17細胞の分化や維持、働きを促進する分子機構と、ストレス時に産生されるプロレニンがTH17細胞を介して炎症性腸疾患の発症と増悪に寄与する可能性を、PRR遺伝子破壊マウスを用いた解析から明らかにする。