著者
槌田 洋
出版者
北ヨーロッパ学会
雑誌
北ヨーロッパ研究 (ISSN:18802834)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.67-80, 2006 (Released:2018-10-01)

スウェーデンで行われているリージョン(広域自治体) の設置をめぐる実験事業の経過は、今後の地域政策の主体となるのが主要都市を核としたネットワーク化か、それとも広域自治体への分権化かをめぐる議論として見ることが出来る。本稿ではヨーロッパ規模でのリージョン政策を踏まえて、スウェーデンの広域自治体改革の経過と背景を、地方統治システムの従来からの特徴と経済グローバル化への対応という二つの側面から整理する。 またリージョン政府の役割と地域内のコミューンや中央政府との相互関係について、 リージョン実験の事例を踏まえた検討を行う。最後に、リージョン改革をめぐる論点を、福祉国家のシステム転換という側面から捉え直すこととする。