著者
河合 清 三牧 靖典 山領 貞行 槙野 克美
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.263-268, 2003-06-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
10

銀塩フィルムの高感度, 高画質, 広いラチチュードといった特徴は, 感度の異なるハロゲン化銀粒子が3次元的配列しているという撮像システムそのものから発生する本質的なものである.しかも, ハロゲン化銀乳剤技術は今後も進歩していくことが可能である.従つて, これらの技術を取り入れて映画用フィルムを継続的に開発することで, 映画制作システムを何ら変更することなく, 更に高画質な映画表現が可能となっていく.本報告では, このような映画撮影における銀塩フィルムの特徴をデジタル撮影と比較議論し, 銀塩の特徴を最大限追求したフィルムの開発例とそこに用いられている技術を概説する.