著者
樋口 徹雄
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.155-163, 1969-04-30 (Released:2012-11-20)
参考文献数
21
被引用文献数
2

エアースプレーの微粒化現象をマイクロフラヅシュを用いて観察した。塗料はガンのノズルを出た瞬間は微粒化状態ではなく, ノズル出口で樹枝状に分裂して, 空気のセン断力によりさらに膜状分裂を起こし, 連鎖的に微粒化されるという複雑な過程を経て, はじめて微粒化状態に到ることを認めた。また, スプレー全体写真の観察から, 粒子群には密度差が生じており不均一に霧化が行なわれているのが観察された。塗料の微粒化測定方法について考察し, 粒子捕集シャッター, 捕集液を試作して顕微鏡法により粒子径測定を行なった。噴霧流の粒径分布を調べたところ, f (x) =axpexp (-bxq) なる抜山棚沢の分布式がよく適合した。塗料, ノズルを一定にすると, 空気流出量, 塗料流出量がザウタ平均粒径に影響を及ぼし, ぐ空気流出量が大きいほど, 塗料流出量が小さいほど, 微粒化が良い。粘度, 表面張力の微粒化への影響を調べた。