- 著者
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横井 志保
- 出版者
- 名古屋柳城短期大学
- 雑誌
- 研究紀要 (ISSN:13427997)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, pp.97-103, 2012-12-20
保育現場では、日常のごっこ遊びから、発表会等で披露する、劇やミュージカル、オペレッタといった、役になりきって表現することは盛んに行われている。しかし現状では、そのような身体的な表現活動に対しての評価尺度が明確に示されていないことで、活動への保育者の援助の視点が不明瞭な状態にあると指摘されている。 本研究では、8つのグループ全てが同じ作品を演じ、それを評価した。同一のシナリオ、歌、曲を、いかに工夫して演じ、アレンジを加え、それぞれのグループのオリジナルとするのかが試された。発表の後、自己評価と他者評価の両方をした。そこでの学生らの評価の観点を明らかにすることで、今後の表現活動における評価の対象を明確にすることができ、保育においては、子どもに対して的確な援助ができるようになる。また、演じる際(園における発表会等での指導においても)の適切な`見せるポイント'を掴んだ表現ができるようになると考える。 学生のオペレッタ発表の自己評価と他者評価の結果から、評価の観点として演技に集中し、他者評価より自己評価の方が、よりマイナス面を強調して評価することが明らかになった。また、技能に関する評価は肯定的な評価より、否定的や矯正的な評価の方が目立って多くなされる傾向にあることがわかった。