著者
伊藤 和也 横山 亜希子 梅澤 俊之 町田 隼也
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第30回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.291, 2019 (Released:2019-11-20)

ごみ焼却施設では、燃焼を安定化させるため、ごみピット内のごみ性状を均質化する撹拌等のクレーン操作が重要な役割を担っている。そのため,運転員が視覚的にごみ性状を認識して、均質化したごみを手動操作あるいは半自動にて焼却炉に投入しているのが実態である。当社では、「運転員の眼」を代替した機能を持つ自動クレーンシステムを構築すれば、運転業務の省力化が可能と考えた。そこで、まず「運転員の眼」の代替として、ディープラーニングを用いたごみ性状を把握するAIを開発した。そして、このAIの出力をクレーン制御へ組み込んだ自動クレーンシステムを構築した。実証実験の結果、クレーン業務の常時監視を必要としない自動運転が可能な事を確認し、自動運転率は約90%を達成した。本稿では、このAIを搭載した自動クレーンシステムの実用性や省力化への寄与について、本AIの精度検証や実証実験の結果を交えて紹介する。
著者
横山 亜希子 滝 玲加 大鐘 由加子
出版者
北海道大学低温科学研究所 = Institute of Low Temperature Science, Hokkaido University
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.67-73, 2012

尾瀬ヶ原にて5月の融雪時に雪の表面が赤褐色化する現象を地元の人はアカシボと呼んでいる. 尾瀬ヶ原は泥炭質で, 鉄はフミン質などと錯体を形成し, 地下水に溶存態鉄として豊富に含まれている. この溶存態鉄が酸化され懸濁態鉄になる過程がアカシボ現象に作用していると考えられる. このアカシボ現象を鉄・マンガン酸化細菌の面から解明することを目的とした. 室内実験にて, 鉄酸化細菌を20℃, 4℃, 0℃で培養し, 溶存態鉄の減少に伴い懸濁態鉄の増加, 溶存性有機物減少, 細菌数増加の経日変化がみられた. このことから雪や融雪中の低温環境においても鉄酸化細菌は強い酸化力をみせ, アカシボ現象の要因の一つであることが考えられた.Akashibo is a name people in the area use to describe a phenomenon by which the surface of snow acquires a reddish-brown-black color in the snowmelt in May of every year. People in the area call it Akashibo. Dissolved iron is richly contained in the groundwater of Ozegahara. Our objective was to explain this Akashibophenomenon by the contribution of the iron and manganese oxidation bacteria. From our laboratory experiments, iron oxdation bacteria were cultivated at 20 ℃, 4 ℃, and 0 ℃. As a result, the particulate iron and bacteria increased and the dissolved iron decreased with the decrease of the dissolved organic carbon. The Akashibo phenomenon is regarded as dependent on the involvement of the bacteria by which iron oxidation is actively carried out even at low temperatures.