著者
金谷 欣明 橋田 真輔 藤井 徹也 丸山 修一郎 横山 伸二
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.947-951, 2008-11-30 (Released:2009-01-06)
参考文献数
17
被引用文献数
2

経肛門的直腸内異物は比較的まれな疾患であり,異常な自慰行為のエスカレート等により突発的に生じることが多い。今回われわれは中高年男性に発生した経肛門的直腸内異物の2例を経験したので報告する。症例1は71歳の男性,すりこぎ様の太い木製の棒を自ら肛門より挿入し,抜去不能となり当院の受診となった。外来での抜去は困難で,腰椎麻酔下にこれを用手経肛門的に摘出した。症例2は55歳の男性,空のジュース缶を自ら肛門より挿入し排出困難となり,近医で経肛門的摘出を試みられたが成功せず,当院の救急外来を紹介となる。症例1同様,腰椎麻酔下に用手経肛門的に摘出した。いずれも外来での摘出は疼痛や腸管浮腫のため困難であったが,腰椎麻酔下では肛門括約筋の弛緩も得られ,用手経肛門的に摘出可能であり無麻酔下に摘出困難な場合,試みられるべき有効な治療法の一つと思われた。
著者
金谷 欣明 橋田 真輔 藤井 徹也 丸山 修一郎 横山 伸二
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.947-951, 2008
被引用文献数
2

経肛門的直腸内異物は比較的まれな疾患であり,異常な自慰行為のエスカレート等により突発的に生じることが多い。今回われわれは中高年男性に発生した経肛門的直腸内異物の2例を経験したので報告する。症例1は71歳の男性,すりこぎ様の太い木製の棒を自ら肛門より挿入し,抜去不能となり当院の受診となった。外来での抜去は困難で,腰椎麻酔下にこれを用手経肛門的に摘出した。症例2は55歳の男性,空のジュース缶を自ら肛門より挿入し排出困難となり,近医で経肛門的摘出を試みられたが成功せず,当院の救急外来を紹介となる。症例1同様,腰椎麻酔下に用手経肛門的に摘出した。いずれも外来での摘出は疼痛や腸管浮腫のため困難であったが,腰椎麻酔下では肛門括約筋の弛緩も得られ,用手経肛門的に摘出可能であり無麻酔下に摘出困難な場合,試みられるべき有効な治療法の一つと思われた。
著者
深田 真宏 丸山 修一郎 奥本 龍夫 藤井 徹也 金谷 欣明 横山 伸二
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.68-72, 2014 (Released:2014-07-31)
参考文献数
14
被引用文献数
1

自然気胸に対しドレナージを施行後,hypovolemic shockを伴う再膨張性肺水腫(re-expansion pulmonary edema:RPE)を発症した1例を報告する.症例は43歳,男性.右自然気胸に対し発症10日目に胸腔ドレナージ施行.その後大量の泡沫状喀痰を排出し,呼吸循環動態が不安定となった.RPEと診断し,PEEPを付加した人工呼吸器管理を開始した.収縮期血圧60mmHg,心拍数120回/分とショック状態となり,輸液負荷と昇圧剤にて循環管理を行った.シベレスタットナトリウム,ステロイド投与を行い救命することができた.再膨張性肺水腫は気胸のドレナージ後などに起こる重篤な合併症である.呼吸不全に加えhypovolemic shockを伴うこともあり治療には慎重な呼吸循環管理が必要となる.