著者
横山 聖美
出版者
天使大学
雑誌
天使大学紀要 = Bulletin of Tenshi College
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.55-64, 2015-08-31

わが国の医療機関で行われるグリーフサポートへの示唆を得ることを目的に研修に参加した。アメリカのホスピス・緩和ケアの中でグリーフサポートは保険適応されており、医師、ソーシャルワーカー、チャプレン、ボランティアなど多職種が担っていた。アメリカでは、人種や宗教の多様性から、様々な対象特性に合わせた遺族のためのサポートグループが継続的に開催されており、遺族が自ら選び取れるシステムになっていた。わが国の医療機関で行われるグリーフサポートを主に担っているのは臨床看護師であるが、専属業務ではなく、遺族の多様なニーズに対応できていない現状がある。また、グリーフサポートに関わる専門的な教育システムや、専門職種が不足していることも課題である。本研修を通して、わが国におけるグリーフサポートを誰が担うことが適切なのかを含めた検討と共に、現在グリーフサポートを担っている臨床看護師への教育的支援の必要性が示唆された。