著者
草島 直紀 ルイズデルガド アルバロ 示沢 寿之 横枕 一成 今村 公彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.490, pp.249-254, 2015-03-04

近年の急激なトラヒック増加に対応するため,3GPP(The third Generation Partnership Project)では,LTE(Long Term Evolution)リリース13において,ライセンス帯域からの補助によるアクセスを前提に,5GHz帯のライセンス不要帯域でLTEを運用するライセンス補助アクセス(LAA:Licensed-Assisted Access)の検討が行われている.しかしながら,ライセンス不要帯域では無線LAN(WLAN:Wireless Local Area Network)等の他の無線システムが既に運用されている.そのため,LTEがWLANと共存する環境下において,LTEの導入がWLAN等の無線システムへ影響を与えないことが重要である.WLANシステムでは,LBT(Listen Before Talk)の1つである衝突回避機能を持つキャリアセンス多元接続(CSMA/CA:Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)が用いられる.WLAN等の無線システムとの公平性の観点から,LAAを適用した基地局(eNB:evolved Node B)および端末(UE:User Equipment)も同様にLBTの導入が必要となる.そこで本検討では,下りリンク(DL:Downlink)において,LTEの物理信号構成を考慮した2種類のLBTを検討し,システムレベルシミュレーションによりLAAの導入によるWLANへの影響およびLAAのスループット特性を評価する.シミュレーション評価によって,LAAの導入がWLANに影響を与えないことを示すと共に,LAAの特性がWLANに対して大幅に向上することを示す.
著者
横枕 一成 三瓶 政一 原田 博司 森永 規彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.598, pp.25-30, 2005-01-20
参考文献数
11
被引用文献数
1

次世代移動通信システム(B3G : Beyond Third Generation)の候補として開発されているDPC-OF/TDMA(Dynamic Parameter Controlled-Orthogonal Frequency and Time Division Multiple Access)システムは, 伝送方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を採用しており, システム帯域全体を64サブキャリアからなる複数のサブチャネルブロックに分割し, 端末の規模やサービスに応じて複数のサブチャネルブロックを使用することで, 様々な種類の端末を同時に収容可能なシステムである.この場合, 下り回線においては, 基地局が送信する共通ハイロット信号から各端末が自律的に必要な帯域分の伝搬路特性を推定する方式が必要となる.そこで本検討では, DPC-OF/TDMAシステムの下り回線において, 使用するサブチャネルブロック数によらない伝搬路推定方式を提案する.提案方式では, インバルス性が高く, 各サブキャリアの位相を変化させることでインバルスの立つタイミングを容易に変更可能なCI(Carrier Interferometry)をベースとしたバイロット信号を用い, インバルス応答を推定する.各端末では, 各サブキャリアのタイミング制御用の位相を補償する際, 使用するサブチャネル数に応じて異なる位相量で補償することで, 必要な帯域分の伝搬路特性を推定する.提案方式を計算機シミュレーションにより評価した結果, 各サブキャリアの伝搬路特性を高精度に推定でき, 使用するサブチャネル数によらず端末が自律的に必要帯域の伝搬路特性を推定できることを確認した.