著者
小松原 明哲 中島 徳夫 横溝 克已
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.25-33, 1987-02-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
11
被引用文献数
2

日本語ワードプロセッサの非専門オペレータにとって使いやすい日本語ワードプロセッサの条件をさぐることを目的として, 実験を行った. 能力的に均一な女子大学生12名を被験者として, ローマ字入力方式, かな入力方式, HC88方式, PWP100方式の4方式のワードプロセッサを使用した場合の学習過程を調べた. 学習曲線の因子分析の結果, 初心者は“キーの位置をおぼえる”,“入力ルールをおぼえる”,“ワープロを使いこなす”の順に操作を学習していくことが明らかとなった. 入力に際して特別のルールを要求するワープロでは, ミス率, 精神負担は高いレベルにあった. また, 入力ルールが日本語の発音に則している場合は, 則していない場合に比べて, ミス率, 精神負担は低いか, あるいは早い時期に低くなることが示された. したがって, 入力ルールは発音に則すべきであるとの示唆が得られた.