著者
渡邉 政嘉 吉野 潤 横田 純一 高谷 慎也 南崎 義徳 津田 健人 佐々木 柊野
出版者
特定非営利活動法人 産学連携学会
雑誌
産学連携学 (ISSN:13496913)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1_93-1_102, 2021-01-31 (Released:2021-03-15)
参考文献数
8

日本版SBIR制度は,1999年に創設されて以降中小企業者等に対し,のべ9.4万社,14兆円の補助金等の支出を行う等,一定の成果を達成してきた一方,対象となる補助金等の一部の省庁に占める割合が多数を占めるといったポートフォリオの課題や,交付における統一ルールの不在など,様々な制度的課題が顕在化している.加えて,近年,社会課題解決ニーズの多様化や,科学技術の細分化・複雑化により,スタートアップ企業を中心とした中小企業者等への支援を通じたイノベーション創出の重要性が高まっている.こうしたことを踏まえ,第201回通常国会において,科学技術基本法等の一部を改正する法律が成立し,日本版SBIR制度の見直しが行われ,同制度のイノベーション政策としての位置付けを明確化し,一部の補助金等については,研究開発課題の提示や多段階選抜方式等の交付に関する各省統一的なルールのもと運用することとするなど,スタートアップ・中小企業等によるイノベーションの促進に資する制度とされた.今後,新たな日本版SBIR制度が着実に運用され,更には継続的な改善に取組むことで,当該制度が我が国のイノベーションに貢献することを期待したい.
著者
横田 純一 髙橋 蓮 松川 祐子 松島 圭亮
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11902, (Released:2020-11-16)
参考文献数
30

【目的】60 歳以上の高齢心不全患者における自宅退院の予測因子をリハビリテーション(以下,リハ)開始時および退院時のパラメータから明らかにする。【方法】急性期病院に心不全急性増悪で入院した患者305 例を,自宅群242 例と非自宅群63 例に分け,入院時および退院時の身体機能を比較した。また,自宅退院の予測因子およびカットオフ値を検討した。【結果】自宅群では,リハ開始時および退院時の膝伸展筋力,Short Physical Performance Battery(以下,SPPB),Barthel Index(以下,BI)は非自宅群よりも有意に高値であった。自宅退院の予測因子およびカットオフ値は,リハ開始時の膝伸展筋力(≥12.1 kg)とSPPB(3/4 点),退院時BI(≥80 点)であった。【結論】本結果は,自宅退院困難が予測される高齢心不全患者の抽出および自宅退院をめざしたゴール設定に寄与する可能性がある。