著者
樽矢 裕子 濱本 洋子 佐藤 鈴子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.4_25-4_35, 2015-09-30 (Released:2016-02-28)
参考文献数
30

本研究は,高齢患者の退院前カンファレンスの場で訪問看護師が実践しているケアの継続に向けたアセスメントのプロセスを明らかにすることを目的とした。訪問看護師12名に半構造化面接を行い,修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いて分析した。その結果,訪問看護師は,《患者・家族が望む生活にあわせたケアにする》《ケアを患者・家族自身のことと思えるようにする》《ケアの負担に配慮する》ことを通して,訪問看護師が【患者・家族に受け入れられる関係をつく(る)】っていた。さらに,在宅療養開始後の《トラブルを予測する》《トラブルに備える》アセスメントをし,【患者・家族に受け入れられる関係を維持できるように備え(る)】,在宅ケアにかかわる【専門職間の協力関係をつくる】 ことによってケアの継続をしようと考えていた。このアセスメントのプロセスは,患者・家族の在宅療養に対する不安の軽減に有用と考えられた。