著者
樽矢 裕子 濱本 洋子 佐藤 鈴子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.4_25-4_35, 2015-09-30 (Released:2016-02-28)
参考文献数
30

本研究は,高齢患者の退院前カンファレンスの場で訪問看護師が実践しているケアの継続に向けたアセスメントのプロセスを明らかにすることを目的とした。訪問看護師12名に半構造化面接を行い,修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いて分析した。その結果,訪問看護師は,《患者・家族が望む生活にあわせたケアにする》《ケアを患者・家族自身のことと思えるようにする》《ケアの負担に配慮する》ことを通して,訪問看護師が【患者・家族に受け入れられる関係をつく(る)】っていた。さらに,在宅療養開始後の《トラブルを予測する》《トラブルに備える》アセスメントをし,【患者・家族に受け入れられる関係を維持できるように備え(る)】,在宅ケアにかかわる【専門職間の協力関係をつくる】 ことによってケアの継続をしようと考えていた。このアセスメントのプロセスは,患者・家族の在宅療養に対する不安の軽減に有用と考えられた。
著者
松田 謙一 濱本 洋子 綿貫 成明
出版者
一般社団法人 日本医療・病院管理学会
雑誌
日本医療・病院管理学会誌 (ISSN:1882594X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.95-105, 2017 (Released:2017-05-12)
参考文献数
31

本研究は,全国の急性期病院におけるせん妄患者への頓用向精神薬投与時の看護師の困難感を明らかにすることを目的に行った。看護師の薬剤の投与過程で必要とされる判断の困難感7項目を含む無記名自記式調査票を独自に作成した。調査票は,調査協力に同意の得られた全国の116病院3,848名の看護師に配布し,個別返送で回収した。その結果,1,958名分 (50.8%) が回収され,有効回答は1,748名(有効回答率45.4%)であった。せん妄患者への頓用向精神薬投与時の看護師の困難感は,具体的な判断が求められる薬物療法の必要性の判断,具体的な薬剤の選択,投与量・速度の判断で,「やや難しい」,「とても難しい」との回答の合計が68.4%から79.5%を占めていた。本研究の結果から,せん妄患者への頓用向精神薬の投与をより安全で効果的に行うためには,看護師をはじめとした医療職に対する向精神薬に関する教育や頓用向精神薬の指示形態の整備などを含め,せん妄に対する組織的取り組みを整備・普及させていくことが必要と考えられた。