著者
橋新 裕一
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.456-462, 2012-02-15 (Released:2014-02-05)
参考文献数
18

「事故は起きる」ものと絶えず認識しておくべきである.社団法人レーザー学会が約1 年間に亘ってアンケート調査を実施した.著者はホームページや文献で事故例を調査した.事故の多くは実験室で起こった.また,日本で一般的に用いられているNd:YAG レーザーによる事故が多かった.中心窩が傷害を受けた事故では,視力障害を招く.著者はCO2レーザーやNd:YAG レーザーで火傷したり,服を焦がしたりした経験を持つ.KrF エキシマレーザーで角膜に傷害を被った経験もあった.これらの事故の発生状況などの詳細を紹介する.安全対策として,光波長に合わせた防護ゴーグルを着用することが重要である.また,定期的な安全教育を継続することも肝要である.