著者
高橋 伸子 橋本 和法 佐々木 かりん 橋本 誠司 上田 英梨子 松井 英雄
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.221-221, 2011-06-25

第40回新都市血栓止血研究会 平成23年3月4日(金) 東京女子医科大学 臨床講堂2
著者
赤澤 宗俊 橋本 和法
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.451-456, 2020 (Released:2020-12-10)
参考文献数
20

覚醒剤の乱用は一般の人々にも広がっており,本邦でも妊娠中に覚醒剤を使用した症例が複数報告されている.その周産期管理については,医学的のみならず社会的,法的にも対応に苦慮したとの報告が多い.今回われわれは医学中央雑誌を用いて文献レビューを行い,覚醒剤使用妊婦について国内13症例を集約し,管理上の問題点について検討した.患者背景では全症例が未受診妊婦であり,児は多くの症例で乳児院入所となっていた.母体の重篤な合併症として頭蓋内出血(脳幹)と,産後に甲状腺クリーゼ,心不全を来した症例を認めた.新生児経過としては,4症例で易刺激性,振戦,呼吸障害といった薬物離脱症候群の発症を認めた.法的な問題としては,①薬物の尿検査の施行に本人の了承が必要か,②警察への通報は医師の守秘義務違反になるのか,の2点が議論されていた.覚醒剤使用妊婦の管理は稀であるが,法的な問題も含有するため,治療指針の作成が望まれる.