著者
野原 理子 冨澤 康子 齋藤 加代子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.87, no.5, pp.146-150, 2017-10-25 (Released:2017-10-25)
参考文献数
8

Purpose: In Japan, although much effort has been made to promote the work-life balance of women and to achieve a society with prosperity and vitality, consideration of working environment including childcare support is still behind. It is necessary to construct an effective system to support childcare for both men and women. This study aimed to examine the system of sick child leave and improvement of childcare environment, by investigating the situation of absence due to illness among nursery children in Tokyo.Methods: All the children who attended three nurseries in Tokyo between April 2011 and March 2016 were studied. The investigation was conducted for 4 days during August 2016. Data for age, sex and days of absence due to illness were extracted from either the attendance lists or health records of the children in each nursery for the period of 2011-2015. Children who were absent for the whole month were excluded from analysis for that month. This study was approved by the Tokyo Women's Medical University Ethics Committee (Approval Number 4040).Results: A total of 1,834 children (989 boys and 845 girls) were studied. The average annual number of days of absence due to illness per person by class was 19.3 days in the 0-year-old class. The number decreased with age, and was 5.4 days in the 5-year-old class. The average frequency of sick absence per month was the highest in July and the lowest in June.Conclusion: The present study showed that sick absence was the highest among the 0-year-old nursery children, indicating that a fine-tuned childcare support system such as allowing more sick child leave in the first year may be helpful to improve working environment.
著者
森永 頼鷹 河野 仁彦 大下 隆司 高橋 一志 石郷岡 純
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.86, no.臨時増刊1(医学部精神医学講座 石郷岡純教授退任記念特別), pp.E150-E153, 2016-01-31
著者
鈴木 美紀 竹内 恵 内山 真一郎 Miki SUZUKI Megumi TAKEUCHI Shinichiro UCHIYAMA
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.84, no.臨時増刊1(医学部神経内科学教室 内山真一郎教授退任記念特別), pp.E73-E79, 2014-01-31
著者
西山 圭子 小森 万希子 立石 実 松本 卓子 冨澤 康子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.87, no.6, pp.165-169, 2017-12-25 (Released:2017-12-25)
参考文献数
22

Medical doctors actively participate in academic meetings and study intensively to achieve self-improvement in medical science and practice and thereby develop possibilities for future career success. It is important and valuable experience to learn techniques for questions and answers and discussions at academic meetings and to interact with people at social gatherings, along with reading academic books and journals. Participation or making academic presentations at academic societies is indispensable to becoming a specialist. Establishment of daycare nursery centers in academic meetings has been proposed as one of the positive actions to improve the environment to enable female doctors to continue to work actively. Here, we present information useful for the organizers of academic meetings at the time of setting up daycare nursery centers. The use of daycare centers differs depending on the academic society and is affected by factors such as whether the number of uses is small or conversely waiting for cancellation; the cost burden also varies. We find good examples of safety management, including cooperation with neighboring doctors. As the number of female doctors and the demand for academic daycare centers will increase, each academic society must secure nursery teachers, a place, and a budget to establish daycare nursery centers.
著者
田宮 貞仁
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.87-87, 1952-05-25

東京女子医科大学学会第53回例会 1952年2月29日 東京女子医大臨床講堂
著者
村上 てるみ 西村 敏 舟塚 真 新宅 治夫 一瀬 宏 大澤 眞木子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.83, pp.E663-665, 2013-07

瀬川病は14q22.1-q22.2に存在するGTPシクロヒドロラーゼI(GCH1)遺伝子異常に起因する常染色体優性遺伝性ジストニーである。典型例では6歳をピークに下肢姿勢ジストニアで発症し筋固縮の進行は10歳代後半までみられるが以後緩徐になり30歳代では定常状態となる疾患である。日内変動は小児期には著明であるが20歳代後半には徐々に消失することが知られている。多くの患者が症状の日内変動に気づかれず脳性麻痺などの診断を受けている。今回私たちも脳性麻痺と診断を受けていたが問診により症状に日内変動があることに気付き遺伝子検査にて瀬川病と確定診断しL-dopaが著効した1例を経験したので報告する。,症例は17歳女性で 家族歴, 既往歴, 発達歴に特に問題は認めなかった。6歳時に左足の尖足、歩行障害、 姿勢の異常出現、症状の増悪を認めたため当科を受診した。問診にて歩行障害、姿勢の異常には日内変動があることが判明した。 脊髄・頭部MRIでは異常を認めず、臨床症状と日内変動を認めるという問診より瀬川病を疑った。 髄液中のネオプテリン、バイオプテリンの低値と血球中のGTPシクロヒドラーゼI(GCH1)酵素活性低値、さらにGCH1遺伝子異常を認め瀬川病と確定診断した。 L-dopa内服で速やかに完全寛解し10年経過するが副作用なく持続している。診断のきっかけは朝夕での症状の違いを具体的な例をあげて母親に質問したことで症状に日内変動があることがわかった。具体例を挙げての詳細な問診は診断の一助となることを再認識した1例であった。,
著者
中村 かおる Kaoru NAKAMURA
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.82, no.臨時増刊(堀貞夫教授退任記念), pp.E59-E65, 2012-01-31
著者
中村 かおる
出版者
東京女子医科大学
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.E59-E65, 2012-01-31

わが国では従来、就職時に明確な根拠なく先天色覚異常者を制限する傾向が見られていたが、近年の法規改正に伴いその制限が大幅に緩和され、先天色覚異常者の職業選択の幅が広がった。しかしそのために微妙な色識別を要する業種などでは新たな問題が浮上している。そこで、先天色覚異常者が職業に関しての助言を求めて眼科を受診する事例について検討し解説する。,雇用時健康診断での色覚検査はほとんど行われなくなり、不当に採用を制限されることが減少した一方で、現在も制限が続く職種も存在する。また、先天色覚異常の色識別能力は正常色覚より低いことは事実であり、その上、色誤認の自覚が乏しく問題の表面化が遅れることもあるため、制限が緩和された職種で就職後に困難を生じる事例が増えている。,この傾向は小学校での色覚検査が減少したために自らが色覚異常であることを知らない世代が増加し、彼らが微妙な色識別を要する職種にも就職することにより、さらに深刻な問題となりつつある。先天色覚異常者本人は業務継続に向けて模索するが、転職を余儀なくされることも多い。職場では色覚異常者が働きやすい環境を作るための努力も行われているが、実現は難しく、なかには企業が再び採用を制限する動きもみられる。,このような社会情勢の中で、先天色覚異常者本人が、自分の色覚を理解しその弱点を補う対策をたてることが求められる。治療の対象にならない疾患などに対するケアは医療現場では軽視されがちであるが、先天色覚異常者は何らかの対策を求めて受診する。眼科では、色覚異常の程度や型の診断が可能であり、診断に基づいたカウンセリングの意義は大きい。カウンセリングでは、業務内容を詳細に聞き取り、個々の状況に応じたきめ細かい助言をすべきである。
著者
村上 てるみ 石垣 景子 佐藤 孝俊 梶野 幸子 齊藤 崇 大澤 真木子
出版者
東京女子医科大学
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.E36-E41, 2013-01-31

福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)は大脳形成異常、精神遅滞を特徴とする先天性筋ジストロフィーで、責任遺伝子はα-ジストログリカンの糖鎖付加に関与するFKTN遺伝子である。,私たちは以前、FCMD患者がウイルス感染による発熱性疾患罹患後に、高クレアチンキナーゼ(CK)血症や尿中ミオグロビン高値を伴い、時に呼吸不全から死に至る急激な筋力低下の増悪を呈することを報告した。これまでの報告では、発症時期や原因ウイルス、好発年齢の考察は行ったが、治療法については十分な検討がなされていなかった。今回、1971年1月から2012年7月までに東京女子医科大学小児科に発熱性疾患で受診したFCMD患者245名のうち、急激な筋力低下増悪を呈した23名を対象に、筋力低下増悪時の治療について検討した。23名のうちステロイドを投与された患者は12名であり、投与しなかった患者は11名であった。ステロイド投与群、非投与群共に、罹患前の運動機能レベルまで回復したが、回復までにかかる期間に統計学的有意差を認めた。今回の検討でステロイド投与により筋力回復までの期間が短縮されることが示唆された。FCMD患者において、高頻度にウイルス感染後の筋力低下増悪を生じる機序は不明だが、急激な筋力低下増悪による呼吸不全から死に至る例もあり、保護者や医療者は認識する必要があると考える。
著者
ジョジョメニョ マウリ 金子 明 菊池 三穂子 ウバレー ラッタワン 大澤 彦太 塚原 高広 谷畑 健夫 パールマン ヘドウイク 平山 謙二 小早川 隆敏
出版者
東京女子医科大学
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.82-89, 2005-04

血中IgE上昇に帰結するIL4プロモーターの遺伝的変異が,マラリアに対する感受性と相関することが最近の研究によって示唆されてきている.本研究においては集団遺伝学的方法を用いヴァヌアツにおけるマラリア流行度が異なる3島嶼において,IL4-590および+33塩基における変異対立遺伝子頻度,血中総IgEおよび熱帯熱マラリア原虫特異的IgE濃度を調べた.3島嶼は中等度の流行が続くMalakula,中等度の流行だが対策が功を奏しているAneityumおよびマラリア流行がないFutunaである.これらの島嶼住民より採取した血液サンプルよりIL4-590および+33についてそれぞれ計878および750サンプルの解析を行った.変異対立遺伝子頻度はこれら3島嶼間においてC-590Tが0.27〜0.39,C+33Tが0.39〜0.48の範囲で変動した.両対立遺伝子間には顕著な連鎖不均衡が認められた(p<0.001).これら両変異対立遺伝子ともAneityumにおいてはFutunaより高い頻度で認められた(p<0.05).AneityumにおいてはIL4+33位における変異対立遺伝子の存在する群での血中熱帯熱マラリア原虫特異的IgE濃度は有意に上昇していた(p<0.05).しかしながら,これらの関係はMalakulaにおいては認められなかった.本研究はメラネシア住民集団において当該変異遺伝子頻度に関する最初の報告である.見出された変異対立遺伝子頻度はこれまで報告されている,より高いアジア住民集団とより低いヨーロッパ住民集団の中間の値であった.さらにIL4多型が特異的IgEとマラリア病形の関係に関る遺伝的因子の一つであることが示唆された.
著者
小貫 建一郎 正田 純一 川本 徹 有泉 俊一 山本 雅一
出版者
東京女子医科大学
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.62-69, 2012-04-25

【目的】癌細胞表面の糖鎖構造はその悪性挙動に深く関与する.糖転移酵素GnT-Vは,ノックアウトマウスの解析結果より,癌の増殖・転移に必須の分子であることが証明されており、様々な癌種において生物学的悪性度との関連性が報告されている.以前我々は,pT2胆嚢癌(GBC)のGnT-V陽性例において、術後遠隔臓器転移再発が多く、陰性例と比較し有意に予後不良であることを報告した.しかし、他の胆道癌に関してのGnT-V発現と臨床病理学的意義に関する報告は過去にない.そこで、肝内胆管癌(ICC)におけるGnT-V発現と予後および術後再発との関連性について検討を行った.【方法】ICC治癒切除72例を対象とし,GnT-V発現を免疫組織学化学にて解析し,その結果を臨床病理学的因子および術後予後と比較検討した.【結果】GnT-Vの免疫組織学的発現は陽性42例、陰性30例であった. GnT-V発現の有無と病理組織学的因子との間に有意な相関関係は認められなかった.GnT-V陽性例は陰性例と比較し術後5年生存率は高い傾向にあったが有意差を認めなかった.(P = 0.31) また、GnT-V発現の有無と術後再発率、再発様式との間に有意差は認めなかった. ,【結語】ICCにおいては、GnT-Vと関連のない機序の癌増殖・転移経路の存在が示唆された。,
著者
小高 桂子 近藤 侑鈴 横田 小百合 竹下 信啓 川上 和之 林 和彦
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.81-89, 2018-06-25 (Released:2018-06-25)
参考文献数
24

Our philosophy is to conduct chemotherapy for patients with advanced cancers as safely as possible and to carry out palliative care in parallel. To further promote home palliative care as a medical policy in Japan, we examined how extensively this policy was introduced among terminal patients discharged from our hospital department in the past year. We reviewed the records of deceased discharged patients for one year from Nov. 2015 to Oct. 2016. The total number of hospitalizations was 353, and the number of hospitalized patients was 173. Among all hospitalized cancer patients, 33 patients left hospital mortality, of which 25 were hospitalized urgently. Overall, only 27 % received home palliative care. We were not able to confirm the place of death desired by many of these discharged terminal patients. Therefore, we recommend that terminal cancer patients and their families decide in advance where and when home palliative care should start to maintain high quality of life until the end of life.
著者
鈴木 麻耶 中神 朋子 柴崎 千絵里 廣田 尚紀 内潟 安子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.87, no.Extra2, pp.E261-E268, 2017-11-30 (Released:2018-02-15)
参考文献数
16

Aim: Recently, artificially sweetened beverages (ASBs) have inundated the market because of their low calorie value. We examined the prevalence and related factors of ASB intake among patients with type 2 diabetes (T2DM) using questionnaires.Methods: This study randomly selected 209 patients with T2DM who visited our center between December 1 and 20, 2016. For validation of questionnaires on ASB and sugar sweetened beverage (SSB) intake, 1-month beverages' record was performed in 40 patients with and without DM.Results: The agreement between the recorded information and answers to the questionnaires on ASB/SSB intake was over 75 %. The prevalence of ASB and SSB intake was 27 % and 17 %, respectively. In total, 71 % of patients initiated ASB intake after T2DM onset. Multivariable logistic regression analysis showed that ORs (95 % CIs) for intake of ASB related to age 60-69 and ≥70 years old compared with <60 years old were 0.2 (0.1-0.5) and 0.1 (0.03-0.3). The corresponding values for HbA1c 6.5-7.1 and ≥7.2 % compared with <6.5 % were 2.6 (0.9-6.9) and 2.9 (1.1-7.6).Conclusion: The prevalence of ASB intake anticipated from questionnaires was 27 %, with 71 % of these patients initiating ASB intake after T2DM onset. Not older age and a higher HbA1c were independently related to ASB intake.
著者
杉田 依里 平澤 恭子 花谷 あき 鷲尾 洋介 戸津 五月 増本 健一 中西 秀彦 内山 温 楠田 聡 櫻井 裕之 大澤 眞木子
出版者
東京女子医科大学
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.E317-E322, 2013-01-31

BCG接種時に皮膚裂傷を来たしたことを契機にEhlers-Danlos症候群(EDS)と診断された超早産児の臨床経過について報告する。児は、母体の前期破水と絨毛膜羊膜炎のため、在胎期間27週6日、出生体重1100g、帝王切開で出生した。日齢1に左脳室内出血(IVH)I度を認め、日齢4には両側IVH II度へ急速に進行し、日齢17より出血後水頭症を認めた。脳室ドレナージ術のための予定気管挿管時に、胸膜下気胸を合併し緊張性気胸に進行した。また、日齢85の頭部MRI検査で出血後水頭症の所見に加えて、側脳室内側にくも膜嚢胞を認めた。NICU退院後の発達外来の定期経過観察では低緊張による発達の遅れが認められた。8ヶ月(修正5ヶ月)時、左鼡径ヘルニアの根治術を施行し、術中、皮膚切開創が自然拡大したエピソードがあった。9ヶ月(修正6ヶ月)時、外来でBCG接種を施行した際に皮膚裂傷を生じた。皮膚裂傷に対し、形成外科で縫合術と皮膚組織生検を行った。この病理所見とビロード状の皮膚や低緊張、関節可動域の亢進などの身体所見からEDSと診断した。新生児期の経過を再検討し、IVH、胸膜下気胸、くも膜嚢胞の合併は原疾患に起因する可能性があると考えられた。EDSの超早産児では、新生児期より組織脆弱性に起因する様々な合併症が起こり得ることが示唆された。
著者
三浦 順之助 内潟 安子 岩本 安彦
出版者
東京女子医科大学
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.E78-E84, 2011-03-31

1型糖尿病は、膵β細胞が破壊されることによりインスリンの絶対的欠乏が生じて発症する病型であるが、自己免疫機序が関与する1A型と、発症機序の明らかでない特発性の1B型に亜分類される。1A型糖尿病の診断には、Islet cell antigen (ICA)をはじめとして、インスリン自己抗体(insulin autoantibody : IAA)、抗Glutamic acid decarboxylase (GAD)抗体、および抗Insulinoma-associated antigen- 2 (IA-2)抗体が主要抗体として知られており、病型診断に利用されている。また、これらは発症以前からの予知因子としても重要である。,IAAはインスリンの投与を受けていない人の血中に存在する抗インスリン抗体である。1型糖尿病の発症5年以上前から血中に出現し、若いほど抗体価が高値になる傾向がある。GADは、γ- aminobutyric acid (GABA)を合成する酵素であるが、発症早期の1型糖尿病患者の血清中に、GADに対する抗体の存在が確認されたのは1990年であった。65kDaと67kDaのisoformがあり、現在国内では、リコンビナントGAD65を抗原として使用したコスミック社のキットを用いて測定されている。日本人1型糖尿病患者での発症早期の抗GAD抗体陽性率は、約70%である。IA-2は1994年ヒトインスリノーマの外科切除組織からcloning された、979個のアミノ酸、約106kDaの膜貫通型タンパクであり、protein tyrosine phosphatase (PTP)ファミリーに属している。抗IA-2抗体の陽性率は、海外で55〜75%、本邦では急性発症の早期では60%程度、5年以上経過した症例では40%程度との報告がある。最近、zinc transporter-8に対する新規自己抗体が発見された。白人1型糖尿病患者の60%程度に陽性であり、本抗体単独陽性患者は4%であった。他に抗VAMP-2 (Vesicle associated membrane protein -2)抗体、抗NPY (Neuropeptide-Y) 抗体があり、我々はそれぞれ21%、9%程度存在することを確認している。新規膵特異的自己抗体の検出は、1型糖尿病のサブタイプの診断に有用な情報となりうる。