著者
井上 浩三郎 市川 満 橋本 正之 野村 民也 林 友直 広沢 春任 高野 忠 INOUE Kozaburo ICHIKAWA Mitsuru HASHIMOTO Masayuki NOMURA Tamiya HAYASHI Tomonao HIROSAWA Haruto TAKANO Tadashi
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集: ハレー彗星探査計画報告 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.33-46, 1987-03

Telecommunications systems are indispensable to control spacecraft and gather telemetry data from space. After the launch of each spacecraft, the telecommunications systems worked well and supported the observation around the encounters with Halley's comet. The system performances have been confirmed to be coincident with the design through operations. This chapter describes the design principle and constitution of the telecommunications systems, and the operational results together with system evaluations.
著者
林 友直 高野 忠 市川 満 橋本 正之 鳥海 道彦 斉藤 宏 小坂 勝 栄元 雅彦 藤久保 正徳
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
no.62, pp.p1-102, 1989-03

臼田宇宙空間観測所の64mφアンテナ設備は1984年10月に竣工し, 人工惑星「さきがけ」・「すいせい」のハレー彗星観測や同人工惑星を利用した太陽オカルテーション観測をはじめ, TDRSを用いたスペースVLBI実験等にも利用され, 数々の成果をもたらしている。さらに, 1989年8月の「ボイジャー2」海王星オカルテーション観測実験や1990年の「MUSES-A」追尾運用に使用される予定である。臼田局周辺の気候は, 強風によるアンテナ運用停止や大雨による伝送条件の低下等, 局の運用に少なからぬ影響を及ぼす。特に, 「MUSES-A」で用いられるX帯における影響は, 現用のS帯におけるそれより遥かに大きく, より深刻である。これらの気象条件の把握と解析のために, 気象観測システムはきわめて有用かつ必要不可欠なものである。臼田観測所における気象観測は1983年に始まり, 恒久的な『気象観測装置』を1987年3月に設置した。そして, 翌1988年にはこれまでの経験を元に, コンピュータシステムを中心とする『気象データ処理部』を付加し, 全体として『気象観測システム』として機能するようにした。この『気象観測システム』は, (1)雨量(雪量), (2)気温, (3)気圧, (4)風速, (5)風向及び(6)湿度(将来計画)の各データを収集し, その処理を行うものである。このシステムの基本コンセプトは, 次の点にある。「(a)臼田観測所でデータ収集からデータ整理までできるほか, 相模原キャンパスでもモニタ可能にする, (b)気象統計データを帳表形式に整理できる, (c)臼田局の運用管理情報の一つとして利用できるようなデータ表示を行う, (d)軌道決定のための大気補正データとして利用できる道を開く」。今回, 開発した気象データ処理システムは, 各パーソナル・コンピューターにおける処理を最適分散させ, 各機能をフルに生かせるシステム構成とする一方, 将来の拡張性も考慮した。そして, パーソナル・コンピュータを中核とするマルチタスク処理機能を基本に, 現行計算機システムではまれなオペレート・ガイド・システムやデータファイルの自動ハンドリング機構等を導入した省力化システムとした。また, 処理システムの各項目を階層構造のメニュー内容に登録し, メニュー選択時に「次にどの操作をすればよいか」等の基本操作方法を前もって表示するほか, 誤入力に対しても十分なプロテクトと丁寧なメッセージを用意し, 初心者でも運用できるシステムとした。さらに, 自動運用を推進するため, データファイルの自動ハンドリング機構を導入した。この機構では, データファイルの確保・削除等の領域管理をはじめ, ファイル管理まで全自動化した。また, データ取得しながら, メニュー選択によりフロッピーディスクヘデータ退避できるようなマルチタスク処理機能も有している。本報告書では, 『気象観測システム』の概要を述べると共に, 操作手引書としても使用できるように操作例を交えながら紹介する。資料番号: SA0166276000
著者
林 友直 横山 幸嗣 井上 浩三郎 橋本 正之 河端 征彦 大西 晃 大島 勉 加藤 輝雄 瀬尾 基治 日高 正規
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集: M-3SII型ロケット(1号機から3号機まで)(第1巻) (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
no.29, pp.141-171, 1991-06

M-3SII型ロケットでは, M-3S型と異なり, 新たに装備されたサブブースタSB-735の性能計測等のために, サブブースタにテレメータ送信機を搭載した。また, サブブースタの分離状況を画像伝送するため第2段計器部に画像伝送用テレメータ送信機を搭載し, さらに3号機では新たに開発された第3段モータの性能計測のために, 第3段計器部を設けてテレメータ送信機を搭載する等の大幅なシステム変更がなされている。搭載テレメータ送信機で新規に開発されたのは, 画像伝送用テレメータ送信機で, M-3SII型ロケットの試験機であるST-735ロケットで予備試験を行い, 地上追尾系を含めて総合的に性能の確認を行ったのち, M-3SII型1号機から本格的に搭載された。地上系では, 第2段モータの燃焼ガスが通信回線に大きな障害をもたらす等の問題が生じ, 2号機から高利得の18mパラボラアンテナを使用し, 従来の高利得16素子アンテナに対する冗長系を構成した。また, 第3段目の機体振動計測データ等を伝送していた900MHz帯テレメータは3号機から送信周波数がS帯へ変更されたのに伴い, 地上受信アンテナとしてはこれまで使用していた3mφパラボラアンテナをやめ衛星追跡用10mφパラボラアンテナを使用する事となった。データ処理系では, 計算機によるデータ処理が本格化し, 姿勢制御系, 計測系, テレメータ系のデータ処理のほか, 従来のACOSやRS系へのデータ伝送に加えM管制室へもデータ伝送が出来るようになった。コマンド系では, 1∿2号機は従来と同様であるが, 3号機から第1段の制御項目等を増やす必要からトーン周波数を増し, コマンド項目を3項目から6項目にし, さらに操作上の安全性を向上させた。集中電源は, 充電効率や管理の点等から見直しをはかり, 従来M-3S型で用いられていた酸化銀亜鉛蓄電池に替わりニッケルカドミウム蓄電池が使用されるようになった。資料番号: SA0167008000
著者
林 友直 横山 幸嗣 井上 浩三郎 橋本 正之 河端 征彦 大西 晃 大島 勉 加藤 輝雄 瀬尾 基治 日高 正規
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.141-171, 1991-06

M-3SII型ロケットでは, M-3S型と異なり, 新たに装備されたサブブースタSB-735の性能計測等のために, サブブースタにテレメータ送信機を搭載した。また, サブブースタの分離状況を画像伝送するため第2段計器部に画像伝送用テレメータ送信機を搭載し, さらに3号機では新たに開発された第3段モータの性能計測のために, 第3段計器部を設けてテレメータ送信機を搭載する等の大幅なシステム変更がなされている。搭載テレメータ送信機で新規に開発されたのは, 画像伝送用テレメータ送信機で, M-3SII型ロケットの試験機であるST-735ロケットで予備試験を行い, 地上追尾系を含めて総合的に性能の確認を行ったのち, M-3SII型1号機から本格的に搭載された。地上系では, 第2段モータの燃焼ガスが通信回線に大きな障害をもたらす等の問題が生じ, 2号機から高利得の18mパラボラアンテナを使用し, 従来の高利得16素子アンテナに対する冗長系を構成した。また, 第3段目の機体振動計測データ等を伝送していた900MHz帯テレメータは3号機から送信周波数がS帯へ変更されたのに伴い, 地上受信アンテナとしてはこれまで使用していた3mφパラボラアンテナをやめ衛星追跡用10mφパラボラアンテナを使用する事となった。データ処理系では, 計算機によるデータ処理が本格化し, 姿勢制御系, 計測系, テレメータ系のデータ処理のほか, 従来のACOSやRS系へのデータ伝送に加えM管制室へもデータ伝送が出来るようになった。コマンド系では, 1∿2号機は従来と同様であるが, 3号機から第1段の制御項目等を増やす必要からトーン周波数を増し, コマンド項目を3項目から6項目にし, さらに操作上の安全性を向上させた。集中電源は, 充電効率や管理の点等から見直しをはかり, 従来M-3S型で用いられていた酸化銀亜鉛蓄電池に替わりニッケルカドミウム蓄電池が使用されるようになった。