著者
横田 美幸 関 誠 大島 勉
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.580-587, 2011 (Released:2011-08-15)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

MAC(Monitored Anesthesia Care)は,侵襲的医療行為のあらゆる状況で適応となる.MACの本質は,診断や治療に伴う医療行為で生じてくる患者の生理学的変化(血圧変動や呼吸抑制などを含む生体維持機能)や医学的問題の麻酔科学的評価や管理である.このためには鎮痛薬や鎮静薬の投与を行うが,MACを実施する医師は,必要となればすぐに全身麻酔に移行する準備や能力が必要であることは言うまでもない.このような能力のない医師が実施すれば危険であることは明白である.したがってその技術度は,全身麻酔に準じていると考えられる.日本においてもMACの重要性については異論のないところである.したがってMACに関して共通の認識を形成し,侵襲的医療行為におけるMACの必要性を患者・国民に啓発していく必要がある.
著者
大島 勉 土肥 修司
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

平成14年度における研究成果は以下の通りである。1)経口麻酔前投薬としてのセロトニン1A受容体作動薬タンドスピロン:セロトニン1A受容体作動薬タンドスピロンを麻酔前投薬に用いることによって、鼓室形成術後の悪心嘔吐を抑制することが判明した。2)吃逆の系統発生学的起源:パリ、カルガリーの研究者と吃逆の系統発生学的起源について討論を行った。数多くの類似点を有することから、吃逆の系統発生学的起源は鰓呼吸であるという仮説を論文として作成した。この論文は雑誌BioEssaysに掲載された直後に雑誌New Scientistで紹介され、その後は英国BBC、オランダのテレビ放送などで取り上げられ、反響を呼んでいる。3)GABAの相反する吃逆への作用:ペントバルビタール麻酔ネコにおいて背側鼻咽頭部の機械的刺激による吃逆様反射がイソフルラン吸入によっていかなる影響を受けるかを検討した。GABA-A、GABA-B受容体の拮抗薬を中枢もしくは末梢投与することによって、イソフルランは吃逆様反射を中枢、末梢両方のGABA-A受容体を介して促進、GABA-B受容体を介して抑制することが判明した。この実験結果にかんしては、American Society of Anesthesiologistsの年次大会(オーランド)で発表し、現在論文投稿中である。4)全身麻酔導入時の咳、欠伸:日常の臨床において、フェンタニル静注による咳、チオペンタール静注による欠伸を免疫学的に検討した。前者はAmerica Society of Anesthesiologistsの年次大会(オーランド)、後者はAmerica Thoracic Society国際学会(シアトル)で発表し、今後、論文作成に向かう予定である。
著者
林 友直 横山 幸嗣 井上 浩三郎 橋本 正之 河端 征彦 大西 晃 大島 勉 加藤 輝雄 瀬尾 基治 日高 正規
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集: M-3SII型ロケット(1号機から3号機まで)(第1巻) (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
no.29, pp.141-171, 1991-06

M-3SII型ロケットでは, M-3S型と異なり, 新たに装備されたサブブースタSB-735の性能計測等のために, サブブースタにテレメータ送信機を搭載した。また, サブブースタの分離状況を画像伝送するため第2段計器部に画像伝送用テレメータ送信機を搭載し, さらに3号機では新たに開発された第3段モータの性能計測のために, 第3段計器部を設けてテレメータ送信機を搭載する等の大幅なシステム変更がなされている。搭載テレメータ送信機で新規に開発されたのは, 画像伝送用テレメータ送信機で, M-3SII型ロケットの試験機であるST-735ロケットで予備試験を行い, 地上追尾系を含めて総合的に性能の確認を行ったのち, M-3SII型1号機から本格的に搭載された。地上系では, 第2段モータの燃焼ガスが通信回線に大きな障害をもたらす等の問題が生じ, 2号機から高利得の18mパラボラアンテナを使用し, 従来の高利得16素子アンテナに対する冗長系を構成した。また, 第3段目の機体振動計測データ等を伝送していた900MHz帯テレメータは3号機から送信周波数がS帯へ変更されたのに伴い, 地上受信アンテナとしてはこれまで使用していた3mφパラボラアンテナをやめ衛星追跡用10mφパラボラアンテナを使用する事となった。データ処理系では, 計算機によるデータ処理が本格化し, 姿勢制御系, 計測系, テレメータ系のデータ処理のほか, 従来のACOSやRS系へのデータ伝送に加えM管制室へもデータ伝送が出来るようになった。コマンド系では, 1∿2号機は従来と同様であるが, 3号機から第1段の制御項目等を増やす必要からトーン周波数を増し, コマンド項目を3項目から6項目にし, さらに操作上の安全性を向上させた。集中電源は, 充電効率や管理の点等から見直しをはかり, 従来M-3S型で用いられていた酸化銀亜鉛蓄電池に替わりニッケルカドミウム蓄電池が使用されるようになった。資料番号: SA0167008000
著者
林 友直 横山 幸嗣 井上 浩三郎 橋本 正之 河端 征彦 大西 晃 大島 勉 加藤 輝雄 瀬尾 基治 日高 正規
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.141-171, 1991-06

M-3SII型ロケットでは, M-3S型と異なり, 新たに装備されたサブブースタSB-735の性能計測等のために, サブブースタにテレメータ送信機を搭載した。また, サブブースタの分離状況を画像伝送するため第2段計器部に画像伝送用テレメータ送信機を搭載し, さらに3号機では新たに開発された第3段モータの性能計測のために, 第3段計器部を設けてテレメータ送信機を搭載する等の大幅なシステム変更がなされている。搭載テレメータ送信機で新規に開発されたのは, 画像伝送用テレメータ送信機で, M-3SII型ロケットの試験機であるST-735ロケットで予備試験を行い, 地上追尾系を含めて総合的に性能の確認を行ったのち, M-3SII型1号機から本格的に搭載された。地上系では, 第2段モータの燃焼ガスが通信回線に大きな障害をもたらす等の問題が生じ, 2号機から高利得の18mパラボラアンテナを使用し, 従来の高利得16素子アンテナに対する冗長系を構成した。また, 第3段目の機体振動計測データ等を伝送していた900MHz帯テレメータは3号機から送信周波数がS帯へ変更されたのに伴い, 地上受信アンテナとしてはこれまで使用していた3mφパラボラアンテナをやめ衛星追跡用10mφパラボラアンテナを使用する事となった。データ処理系では, 計算機によるデータ処理が本格化し, 姿勢制御系, 計測系, テレメータ系のデータ処理のほか, 従来のACOSやRS系へのデータ伝送に加えM管制室へもデータ伝送が出来るようになった。コマンド系では, 1∿2号機は従来と同様であるが, 3号機から第1段の制御項目等を増やす必要からトーン周波数を増し, コマンド項目を3項目から6項目にし, さらに操作上の安全性を向上させた。集中電源は, 充電効率や管理の点等から見直しをはかり, 従来M-3S型で用いられていた酸化銀亜鉛蓄電池に替わりニッケルカドミウム蓄電池が使用されるようになった。