著者
橋本 貢士 森 昌朋
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.4, pp.1000-1006, 2012 (Released:2013-05-10)
参考文献数
10

甲状腺ホルモン及び甲状腺ホルモン受容体(Thyroid hormone Receptor:TR)β1は肝臓でのコレステロール代謝に主要な役割を果たしており,近年その詳細な分子機構が明らかになってきた.さらに甲状腺ホルモンの脂肪酸合成への関与も解明されてきている.さらに新規TRβ1選択的甲状腺ホルモンアナログ(T3アナログ)の臨床試験が海外で行われ,心臓や甲状腺機能に影響なく脂質低下効果が示されている.今後スタチン製剤とは異なるの高コレステロール血症へのこれらのアナログの臨床応用が期待される.
著者
橋本 貢士 小川 佳宏
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.4, pp.697-702, 2015-04-10 (Released:2016-04-10)
参考文献数
10

肥満症の発症と進行には,遺伝因子である肥満関連遺伝子と,栄養や運動などの環境因子が密接に関与している.近年,次世代シークエンサーの登場により全身の遺伝子多型が網羅的かつ迅速に解析することが可能になり,新たな肥満関連遺伝子であるfat mass and obesity associated(FTO)遺伝子が同定された.また,環境因子による遺伝子発現制御機構であるエピジェネティクスの肥満症における新たな知見,特に,DNAメチル化による遺伝子発現制御機構の知見が急速に蓄積している.