- 著者
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平川 公義
中村 紀夫
益沢 秀明
橋爪 敬三
佐野 圭司
- 出版者
- Japan Human Factors and Ergonomics Society
- 雑誌
- 人間工学 (ISSN:05494974)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, no.2, pp.71-80, 1970-04-15 (Released:2010-03-11)
- 参考文献数
- 14
- 被引用文献数
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頭部衝撃による脳, 頭蓋骨の傷害は, 人頭皮によって緩和される. 人頭皮の衝撃に対する緩衝能ならびに物理的特性を知るとともに, 市販の材料中より, 等価の緩衝材料を見出す目的で, ゴム類, 土, 発泡スチロールについて実験を行なった.屍頭頭頂部より採取した人頭皮の試験片を鉄台上に置き, その上へ, 加速度計を内臓した重量5kgの頭蓋モデルを, 高さを変えて落下せしめ, 衝撃加速度を記録すると同時に, 傷害の程度を組織学的に検討した.人頭皮は, 落下距離が30cmより高くなると組織破壊が始まり, 40cmで組織は断裂し, 衝撃加速度曲線は bottoming をおこし, 緩衝能を失う. このさいの衝撃加速度値は100gを示した.加速度曲線の類似性より検討すると, 厚さ7mmの Viskol A-30® (チオコールゴム) は, 100gまでの範囲内では人頭皮の緩衝能とよく一致することがわかった. ただしゴム類では弾性限界は高い. 土, 発泡スチロールについても同様に実験を行ない, 人頭皮の simulation に関して若干の検討を加えた.